9選確実の小渕優子氏「改革は不十分という国民の声」 批判に表情は硬く 衆院選群馬5区
群馬5区で早々と当選確実となった自民党前職の小渕優子氏は午後8時すぎ、群馬県高崎市の選挙事務所に姿を見せた。党組織運動本部長として全国の候補者の応援に回り、地元入りはほとんどできなかったが、後援会組織がフル回転し9回連続当選を確実にした。ただ、自民への国民の審判は厳しいものになった。 「ほとんど地元に帰れない中、皆さまのご支援のおかげで当選させていただきました。全国20都府県、34の選挙区を回り、大変に厳しい批判を受けた。国民の信なくば、いかなる政策も進められません。今後も党改革、政治改革を進め、信頼回復に努めてまいります」。小渕氏は、全国で吹き荒れた「政治とカネ」をめぐる批判の嵐をこう振り返った。 当選を後押しした地元後援者に感謝の笑顔を振りまく一方で、選挙戦で感じた党への批判について語るときには表情が硬くなった。 また、選挙戦最終盤にきて、自民は非公認候補が代表を務める党支部に対して公認候補の支部と同額の2000万円の活動費を支給していたことも判明。これについて小渕氏は「有権者の批判はとても大きなもので、自民党への不信はまったく払拭されていない。執行部の一人として党改革、政治改革を進めていかなければならないと痛感している」と語った。 「今、日本にはさまざまな困難な問題が山積している。それに対応するにも、国民の信頼がなければ政治は前に進めることができない」。その上で、今回の自民の苦戦については「これまでの党改革、政治改革では不十分だという国民の声だ。より一層の覚悟と決意をもって仲間と改革を進めていく」と繰り返した。(風間正人)