障がいのある人もない人も混ざり合って生きられる社会を…脳神経外科医が25年以上続ける「いけまぜ夏フェス」 今年は北海道富良野市で初開催
障がいのある人もない人も混ざり合って生きられる社会にしたい…25年以上、活動を続ける医師がいます。札幌のNPO法人「障がい児の積極的な活動を支援する会 にわとりクラブ」の理事長を務める、脳神経外科医の高橋義男医師(75)です。
高橋医師が取り組んでいるのは交流イベント「いけまぜ夏フェス」。“いけまぜ”とは、高橋医師の造語で、“いきるものみんなまぜこぜ”という意味が込められています。毎夏、障がいの有無にかかわらず、参加者みんなで、様々な体験をし同じ時間を共有しようという1泊2日の催しで、これまで、北海道内の約20のマチで開かれてきました。 スタンプラリーにコンサート、打ち上げ花火などさまざまな企画だけでなく、人との出会いが大きな刺激になる場所で、いまでは参加者が1000人を超える大きなイベントです。
今年は、北海道富良野市で初めて開催されることになり、それに先立ち、イベント内容などを紹介するシンポジウムが開かれました。 シンポジウムでは、まず、開催地実行委員会の荒木毅実行委員長が「たくさんの人と交流することで、子どもの可能性が無限大に広がるイベント」と話し、地元の住民らに参加を呼びかけました。
開催地、富良野市の呼びかけ人を務めることになったのは、中村孝子さん(62)です。 中村さんには、全盲の双子の息子、泰騎さん(23)と翔綺さん(23)がいます。9歳のころから「いけまぜ夏フェス」に参加した2人は、いけまぜがきっかけで、音楽活動をするようになりました。 ここ数年は、サポーターになって「いけまぜ夏フェス」を盛り上げてもいる2人、「みんなで協力してイベントを成功させたい」と話します。今年の「いけまぜ夏フェス」では、楽器の音を声で表現するボイスパーカッションなどを披露する予定です。
この日も、2人が「♪上を向いて歩こう」を奏でると、会場からは大きな拍手があがっていました。 中村さんは「いけまぜは、自分たちにもできることがあることを気づかせてくれた。貴重な体験ができるイベントだということを、みなさんに知ってもらいたい」と意気込んでいます。 高橋医師は、脳神経外科医として、「助からない…」と言われた、たくさんの子どもたちの命を救ってきました。 その経験から「子どもたちには可能性がある」「病気を治すだけでなく、子どもたちを社会に送り出すまでが自分の仕事」という信念を持っていて、障がいのある子どもたちやその家族を支援し続けていますが、その思いは少しずつ身を結んでいます。 26年前、参加する側だった子どもたちは、自分の可能性を信じて“挑戦”を続け、多くがイベントを支える側のサポーターへと成長しています。 今年のテーマは「磨け、そして輝け」。約2か月後の「いけまぜ夏フェス」に向け、着々と準備が進んでいます。 「いけまぜ夏フェス」は参加者を募集しています。障がいのある子どもやその家族、サポーター希望者は6月14日(金)まで、 富良野市、上富良野町、中富良野町、南富良野町、占冠村に在住のサポーター希望者は、6月30日(金)まで受け付けています。
北海道放送(株)
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