悲しみとの向き合い方が変わるか? AI技術で故人をデジタル再現
自分に技術があればAI化するかもなぁ。 2019年の『紅白歌合戦』でAI美空ひばりが出場し、賛否両論が起こりました。しかし、メタル界の北島三郎ことロニー・ジェイムス・ディオがホログラムで蘇ったときは、ファンたちに喜ばれたんですよね。 今は有名人だけでなく、普通の人たちもAI技術でデジタル的に復活が可能になっています。まだAI黎明期なので物議を醸しそうですが、数年後は普通のことになるかもしれません。
若くして亡くなった娘を復活させる
台湾エンタメ業界にいるTino Bao(包小柏)氏が、22歳にして血液の病気で亡くなった娘さんの姿をAIで復活させました。 それらの動画をSNSに投稿したことで、世界的な話題になっています。
AIの研究者だからこそできた
AIの娘さんは歌って踊ることも、即時に人々とコミュニケーションを取ることもできます。まるで生身の人間のように、誕生日のお祝いのコメントを話すことも可能です。 国立台北科技大学出身で、AI研究の博士号を持つ包氏。彼は自分の手で娘をAI化できるから実行しました。ゼロから学ぶのではなく、すでにその技術を持っていたことが大きいんですね。 娘さんの死で「人生の意味が失われた」と嘆く包氏。娘さんに触られた自分の髪の毛を切らないまま長髪で過ごしているのも、別れを告げたくないという気持ちからのようです。
ネットでは賛否両論
包氏はFacebookでも娘さんの写真やAI動画を投稿しており、中国のSNSでもいろんな意見が飛び交っているのだそうです。 多くは賛同するコメントですが、中には「AIに頼っていては家族の死を乗り越えられないのでは?」という意見などで、賛否が分かれているんです。 デジタルでの復活は、家族を失った悲しみや喪失感、倫理観や宗教観などを基に、いろんな意見が出る技術だと思います。
専門の業者もある
動画の最後にあるように、すでにそれを専門に行なう業者も現れているので、AIの爆発的な進化と普及に比例して増えていくでしょうね。 それがヒトではなくペットの場合でも、大枚はたいて復活させる飼い主は少なくないかと思います。 今は新しい技術ですが、そのうち写真や動画を見返すのと大差なくなり、当たり前のことになるかもしれません。
3年前と意見は同じ?
かつては死んだ娘をVRで復活させたプロジェクトもありましたが、記事の最後にある「故人VR ほしい?」というアンケートでは、欲しいが83人、待機が311人となっていました(本記事執筆時)。 あのころよりAIがもっと身近になった今、人々の意見は変化したでしょうか? Source: YouTube, South China Morning Post, Facebook
岡本玄介