「山に登ってみては?」…オードリー・タンが「AI嫌い」な人々に山登りをオススメする納得の理由
山登りもロボットにお任せ?
この話をすると、再び同じ質問が繰り返されました。 「テクノロジーの発達は素晴らしいことですが、認知労働さえこなすGPT‐3は脅威だ。今後、人間の仕事はAIやロボットに取って代わられるのではないかと危惧する人々がたくさんいますよ」と。 しかし、私は心配していません。みんな安心していていいのです。 「危機感が募ってしまうのなら、山登りをしてみてはどうでしょう?」 こんな提案をしたいところです。これまでお話ししてきたように、台湾にはぜひ足を運んでいただきたい素晴らしい山がたくさんあります。 ちなみに、山にとても速く登ることができるロボットもあります。私が登るよりずっと速い! 防寒具やテント、水や食料もいらない! それでも私は、山登りロボットは使わないでしょう。 ロボットを山に登らせて、朝日が昇るぴったりの瞬間にすてきな写真を撮らせ、最速で戻ってこさせようとは思いません。 山登りは、自分自身が登山道を自由に歩いて楽しむものだからです。もちろん、誰と競争することもなく。 つまり私は、山登りを自動化して、自然とのかかわりや自分の楽しみを壊してしまうことはしないでしょう。
語り)オードリー・タン