橋本環奈、朝ドラで阪神・淡路大震災を描く決意を明かす 「寄り添って大切に」
神戸出身で大学生の頃に阪神・淡路大震災に遭っている新納慎也
新納が演じるのは、神戸市役所の職員で、米田家が営む理髪店の常連・若林建夫。新納は、神戸出身で「実家もそこら辺に見えてます。この後は実家に帰ります」と告白し取材陣の笑いを誘う。 新納自身も大学生の頃に、阪神・淡路大震災に遭っている。「古傷がヒリヒリするような、でも誇らしい思いもあったりして。地震に触れる作品をやることは僕にとっても今の日本にとっても意味のあることだと思います。このドラマを観て、能登をはじめ、まだ被災で苦しんでる地域の方が「そうだ、神戸はこうやって立ち上がったんだ」と思って元気になっていただければと思います」と真摯な思いを新納は語る。被災した当時は「とにかく前に向いていかなきゃ」という勢いから、地震のショックをあまり感じないままだったが、東日本大震災が起きて、改めて阪神・淡路大震災で自分が傷を負っていたことに気づいたという。 新納には神戸が力強く復興していったという誇りがある。劇中で演じる若林にはない、新納が持つ部分はその部分で、「神戸市民の誇りみたいなものを注入できると思うんです。 東北の人もそうだし、能登の方々も、朝ドラを観て、神戸はこんなに元気に復興したんだから大丈夫だ、前に進めるという元気をもらっていただければいいなと思って演じております」と被災地へのエールの思いを伝えた。 緒形が演じるのは、神戸・さくら通り商店街で靴店を営む、腕利きの靴職人・渡辺孝雄。震災に遭い時が止まり、孤独に生きている。ロケに来ることは珍しい役のため暑さもあり、すでにヘロヘロだという緒形は、阪神・淡路大震災の2年後に公開された映画『マグニチュード 明日への架け橋』に出演している。「実際に今でも苦しんでる人が絶対にいるんだという、そういった人の心の痛みみたいなものを今回感じていただけたらいいなと思いながら演じています」と役にかける思いを述べた。 橋本の印象を聞かれると、緒形は演じる役柄もあり、積極的には話しかけないようにしているというが、「隣の控え室で喋ってる声を聞いて、元気で明るくて。この子だったら任せられるなというぐらいに毎日エネルギーを感じています」と笑みを見せる。新納は橋本が10代の頃から見てきており、共演も数作で経験している。「いい意味で“現代っ子”というのがぴったりで、物怖じしないし、冷静でクレバー。ぶりっ子をしない、かわいく見られたいみたいなことを一切しない、ニュートラルな人なので、彼女が今喋ってることは嘘偽りないんだなというのを感じさせてくれます」と橋本の変わらぬイメージを伝えた。 会見後には制作統括・宇佐川隆史の囲み取材が行われ、撮影は好調で「神戸編」は秋頃に終える予定。2025年は阪神・淡路大震災から30年の年でもある。震災を描くということについては、「覚悟と強い思いがないといけないと改めて思います」「今の神戸と、これまでの神戸をちゃんと伝えられれば」と思いを伝える。オンエアに向け編集作業も進んでいる中で手応えを感じているようで、「純粋に楽しいな、元気だなというのをまずは目指したんです。 その中にいろんな要素が、まさに“栄養素”のように詰め込まれているような物語になっています。すごく物語が王道のような気がしますし、でも見たことのないような面白みもあると思うので、期待していてください」と自信を持って話していた。
渡辺彰浩