「私学無償化」影響か 大阪・公立高入試 全日制倍率は1.05倍に低下 志願者数は昨年度比2000人以上減
大阪府内の公立高校入試・一般選抜の出願が締め切られ、全日制の志願者はあわせて約3万6千人、倍率は1.05倍となりました。昨年度と比べ2000人以上志願者数が減り、関係者らは「私学無償化」の影響があるとみています。 府教育庁は6日、公立高校入試の一般選抜の出願を締め切り、最終的な出願状況をまとめました。 全日制は、総募集人員3万4789人に対し計3万6379人が志願し、平均倍率は1.05倍となりました。 平均倍率が1.13倍だった前年度と比較すると志願者数は約2000人少なく、教育庁によりますと現行の入試制度になった2016年度以降、最も志願者数が少ないということです。 また、「定員割れ」となった高校は32校(75校中)で、前年度の14校(78校中)と比べ大きく増加しました。(※単位制を除く普通科を設置する高校のうち) 特に倍率の高い学校は以下の通りです。 ・豊中高校(1.57倍) ・高津高校(1.56倍) ・茨木高校(1.48倍) ・三国丘高校(1.47倍) ・春日丘高校(1.44倍) ・東高校(1.38倍) ・箕面高校(1.34倍) 吉村洋文知事は6日、公立高校の志願者数が減ったことについて、府が来年度から段階的に導入する私立高校の授業料無償化制度による影響を問われると「一定の傾向が出るとは思っていた」と述べました。 その上で、「公立高校は、より選ばれるように教育の質を高めていくことに尽くしていくべき」「よりよい教育環境をつくるということは、子供たちにはプラスなこと。いい方向に向かっていると思う」と自身の考えを示しました。 関係者らによりますと授業料無償化の影響のほかに、不登校生の増加などで通信制の志願者数が増えていることも公立高校の志願者数減の理由に挙げられるということです。 教育庁は公立高校でも、多様化する生徒や保護者のニーズに対応できるよう「週5登校」や「5教科入試」の前提を見直す議論を進めていて、私立高校への生徒流入を止めたい狙いがあります。
ABCテレビ