<インドその5~神の光> フォト・ジャーナル 高橋邦典
インド南部の港町ゴア。町の中心にある教会前に設置されたテントの下で、特別なミサが開かれていた。この日は、普段は教会内に安置されている聖フランシスコ・ザビエルの遺体公開の初日。10年に一度だけのイベントとあって、期間中は数百万人が訪れる。鹿児島に上陸し、日本に最初にキリスト教を伝えた彼は、僕らにとってもなじみ深い存在だ。彼は死後70年たった1622年に聖人として列聖された。 テントの隙間から漏れる陽光が、神の光のごとく乳母車に座る一人の幼児の姿を照らし出した。神聖なこの日、まるでこの子がザビエルによって「選ばれた」かのように……。そう言うのは、ちょっとこじつけが過ぎるだろうか。(2014年11月撮影) Copyright (C) Kuni Takahashi. All Rights Reserved.