米国の国旗［Ｐｉｘａｂａｙ］

米国東南部を襲ったハリケーン「ヘリーン」による死亡者が最大６００人に及ぶ可能性があるという推定値が出た。 【写真】ハリケーンで浜辺に押し寄せられたボート 先月３０日（現地時間）、ロイター通信によると、米国土安全保障省のリズ・シャーウッド長官は「最大６００人が命を失ったものとみられる」とし「失踪・行方不明の人が６００人と把握している」と述べた。 米国のバイデン大統領は同日、ハリケーンの被害が深刻なジョージア州とノースカロライナ州の州知事と電話会談を行った。バイデン大統領は今週後半に被災地を訪れる予定だ。 バイデン大統領はハリケーン「ヘリーン」で１００人以上が死亡し、約６００人が行方不明の状態だと明らかにした。 ２６日、最高時速２２５キロメートルのレベル４（全体レベル１～５のうち２番目に高い）のハリケーンで米フロリダ州に上陸したヘリーンはジョージア、サウスカロライナ、ノースカロライナ、テネシー、バージニアなど計６州に被害を与えながら通過し、少なくとも１１５人が死亡した。 物的被害も数兆円に及ぶものと推定され、経済的波及効果まで含めれば被害規模が１０兆円を越えるという予測まで出ている。 ムーディーズのアナリストは、今回のハリケーンによる米国内の財産被害が１５０億～２６０億ドル（約２兆１５６９億円～約３兆７３６５億円）に達すると予想し、天気予報サービスのアキュウェザーは全体の財産被害と経済的打撃が９５０億～１１００億ドルに達するという暫定予想値を出した。 国立気象庁のケン・グラハム局長はハリケーン・ヘリーンがサウスカロライナ州とジョージア州に１２～１４インチ（約３０４～３５５ミリ）、フロリダ州に１２～１６インチ（約３０４～４０６ミリ）を含め大雨を降らせていると説明した。 大雨による洪水、建物の崩壊などで被害が相次いでいる。ＣＮＮによると、現在までの死亡者は▼ノースカロライナ州４７人▼サウスカロライナ州３０人▼ジョージア州２５人▼フロリダ州１１人▼テネシー州４人▼バージニア州２人の６州で報告された。 ヘリーン上陸翌日の２７日、ノースカロライナまで含めて６州に３５０万カ所を超える世帯や事業体が停電に遭った。しかし、この時まで死亡者はフロリダ州の３人に留まったが、ハリケーンが熱帯暴風に変わり、数百キロメートルを北進し、死亡者を続出させた。