中国人民銀、流通市場で国債取引近く開始も 利回り低迷で総裁示唆
[上海/北京 19日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝総裁は19日、国債利回りの低下が続く中、人民銀が流通市場で国債取引を近く開始する可能性を示唆した。 人民銀は長期国債の利回り急低下に対し繰り返し警告を発してきたが、流れを反転させられていない。 潘氏は上海で開催された主要金融フォーラム「陸家嘴フォーラム」で「現在、一部ノンバンクによる中長期債の大量保有に伴う償還期間のミスマッチと金利リスクに特に注意が必要だ」と述べた。 また、昨年の米シリコンバレー銀行破綻を招いたようなリスクに中国は対処する必要があるとした。 「正常な右上がりのイールドカーブを保ち、投資に対するポジティブなインセンティブを維持する」ことに取り組む方針も示した。 発言を受けて中国の30年物国債利回りは1ベーシスポイント(bp)上昇した。ただ、節目の2.5%は引き続き下回っている。 潘氏は景気刺激的な金融政策スタンスを堅持するとも表明。金利や預金準備率を含むさまざまな金融政策手段を柔軟に活用していく方針を示した。 また、同氏と国家外為管理局(SAFE)の朱鶴新局長は、為替レートのオーバーシュートを断固として阻止すると改めて述べた。