山梨県が推進する富士山登山鉄道のイメージ＝山梨県提供

山梨県の長崎幸太郎知事は28日の記者会見で、富士山登山鉄道構想について、反対する複数の団体に対して、知事自らが直接構想を説明する意見交換会を11月13日に開催すると発表した。この際に説明する同構想の「中間報告」を28日に公表した。さらに、富士吉田市など地元自治体首長や富士急行にも構想の直接説明で調整に入っていることも明らかにした。 長崎知事が推進する富士山の麓と5合目を次世代路面電車（LRT）を結ぶ同構想に対し、複数の反対団体が発足し、構想の中止に向けた活動を活発化させている。長崎氏はこれまで、反対派の論拠を聞き、改善などを図るとの考えを示してきた。 会見で長崎氏は「富士山の価値を守り、次世代に引き継ぐという目的は、反対派の方々とも一致する。ただ方法論に隔たりがあるだけだ」と語り、直接の説明を通じ、構想への理解を求める考えを示した。 その際に構想実現性を示すとしていた、「中間報告」を公表した。もともと、昨年立ち上げた専門家による事業化検討会が取りまとめる予定だったが、最終的には県がまとめたもので、第3者の専門家による実現可能性を検証する内容ではなくなっている。 それでも年間利用者300万人達成のためには6分間隔で運行することや、LRTを実現させるために実証実験などが必要になることから最短でも工事着工まで8年かかることが初めて示された。