新幹線の「S Work車両」ってなんなの? 実際乗ってみた
広々とした作業空間ではできることのレベルが上がる
今回は東京ー新大阪間でこの「S WorkPシート」を利用しましたが、さすがに1.5席使えるアドバンテージは格別。 広々とした席では、原稿に詰まってだらんと脱力して手を広げたり、肘置きに寄りかかって頭を抱えたり…。と、本来新幹線では制限される動きができます。おかげで始終リラックスして仕事に向かえました。 パーティションによる物理的な隔たりがあるのも安心できるポイント。 隣の人の足元や伸ばした手は見えるので、個室感はないんですけど、物理的な「壁」を挟むことで「こちらはこちら、あちらはあちら」という、ATフィールドのごとき境界認識が自然と生まれるんですよね。 なので、Apple Vision Proで普通に仕事もできます。 1.5席分の空間は、手を上げる・左右に広げるといった動作も(こじんまりとですが)行なえますし、それらの動きをしてもパーティションにより隣人にエルボーを食らわせる心配がありません。 また、基本的に屋外移動中での利用は推奨されていないApple Vision Proですが、新幹線車内で利用しても、眼の前に巨大なディスプレイを展開できましたし、画面が時速285kmで後ろにすっ飛んでいくことはありませんでした(すっ飛んでいったら笑えたんだけどなぁ…)。 今のところ異質な存在であることはまちがいないのですが、現代はモビリティ、テクノロジー、インフラストラクチャーが相互に影響を与え合いながら前進を続けています。ひょっとしたら、このスタイルも近い内にスタンダード化していくのかもしれませんよ?
S Work車両の料金とS WorkPシートの料金
S Work車両には2種類のシートがあり、料金が変わります。 通常のシートは指定席料金で乗ることができ、基本的には角度が付くテーブル(一部の席には付いています)や、1.5席の広々空間、パーティションはありません。いわゆる普通のシート。 そして今回利用した10席限定の「S WorkPシート」は、指定席料金に加えて+1,200円かかります。 この追加コストは…正直悩ましいところですね。具体的には移動距離と要相談といった感じ。 たとえば、すぐ降りなくてはいけない近距離(東京ー静岡)移動だと、贅沢に感じてしまうかも? 一方で長距離(東京ー新大阪や九州方面)移動となると、費用対効果ブチ上がります。 僕なら2時間を超える移動なら積極的に使っていきたいですね。だって新幹線がコワーキングスペースになるのですから。
S Work車両の予約方法
最後にS Work車両の予約方法についてお伝えしておきますね。 S Work車両の運行は東海道・山陽新幹線(東京~博多間)となり、搭乗にはネットサービス経由での事前予約が必要です。 現段階では、年会費無料の「スマートEX」、もしくは年会費1,100円がかかる「エクスプレス予約」からの予約となり、駅の窓口や券売機からは予約できないのでご注意を(ちなみに、2024年春頃から駅窓口等でも発売予定とのこと!)。 Source: JR東海取材協力: JR東海 ※許可を得て撮影を行なっています。
小暮ひさのり