国産50ccバイクが終了!? ということで最速の50ccマシンを振り返ってみた
4. スズキ「RG50Γ」
「NSR50」や「NS50F」が登場するまで、50ccクラスで“最速”と呼ばれていたのが「RG50Γ」です。登場したのは1982年ですが、最高出力は既に7.2PSを発揮していました。スズキの2ストレーサーレプリカの代名詞になっている「Γ(ガンマ)」という名称が初めて用いられた市販車もこのマシンです。 1988年にはフルカウル仕様が、1989年にはカウルレスで丸目仕様の「ウルフ50」が追加に。登場時はフロント17インチ、リア18インチというホイール径でしたが、1990年からは前後17インチとなり、1995年まで生産されていました。7.2PSの上限馬力を達成した水冷エンジンに6速ミッションというその後の原付スポーツマシンの基本となる組み合わせは、このマシンから始まったといえるモデルです。
5. カワサキ「KSR-Ⅰ」
“最速”と呼ばれてはいませんでしたが、独自の世界を築いていたのが「KSR-Ⅰ」です。登場したのは1990年。その頃、少し流行っていたオンロードとオフロードを組み合わせた“スーパーバイカーズ”というレースのマシンを模した作りでした。エンジンの出力は7.2PS/8000rpmで、フロントフォークには倒立フォークを採用しているのが当時は新鮮に見えました。 ホイールは前後12インチですが、ややブロックタイプのタイヤを履いているのがスーパーバイカーズっぽいところ。ホイールは2ピース構造で、ミニバイクレースなどに使用するには重くて剛性が低かったようです。排気量が80ccの「KSR-Ⅱ」もあり、2ストロークエンジンが規制によって姿を消した後は、4ストエンジンを搭載した「KSR110」にバトンを渡すことになります。
<文/増谷茂樹>