上皇后さま89歳に お出かけ増え“文化の応援”
日テレNEWS NNN
10月20日、89歳の誕生日を迎えられた上皇后さま。今年は外出の機会が増え、そこで努力されている人たちにねぎらいの気持ちを伝えられてきました。このニュースについて日本テレビ客員解説員の井上茂男さんに聞きました。
■文化の現場に出かけ、ねぎらいの気持ちを伝える
上皇后さまは10月20日、89歳の誕生日を迎えられました。上皇后さまは上皇さまと朝夕に散策するなど規則正しい日々を送り、今年は新型コロナウイルスの感染拡大以降、控えてきた外出の機会を少しずつ増やされてきました。 今年5月には、夫妻で4年ぶりの京都や奈良を訪問し、夏には4年ぶりに那須御用邸や軽井沢で静養するなど、長く思いを寄せてきた場所や人々と再会される年となりました。
――このニュースをどのようにご覧になりましたか。 お元気なご様子をうれしく拝見しました。5月の京都訪問では、皇室ゆかりの尼門跡寺院の大聖寺を訪ね、修復が終わった昭憲皇太后の大礼服を視察されました。
翌日、上皇ご夫妻は、京都三大祭りのひとつ「葵祭」を初めて御所の前でご覧になりました。この5月の京都旅行は、私も現地で取材し、私がスマホで撮影しました。
京都大宮御所を出て大聖寺に向かわれる時ですが、上皇后さまは沿道の歓迎に、遠慮がちに頷くように応えられていました。映像から穏やかな表情がうかがえ、久しぶりの旅を満喫されているのがわかります。
板橋区立美術館やJICAの横浜海外移住資料館など、お近くへのお出かけも増えています。共通しているのは“文化の応援“で、そこに関わる人に会って、ねぎらいの気持ちを伝えるということだろうと思います。 外出はただ増えているのではなく、ずっと気にかけてこられた文化の現場に出かけ、そこで努力している人と会ってねぎらう―天皇皇后の頃からの変わらない姿がそこにあるように思います。 ――コロナ禍では、お2人の様子をなかなか拝見することができませんでしたが、お2人そろっての様子を拝見するとほっとしますね。 こうしたお出かけが増え、お元気にお過ごしいただきたいと思っています。 【井上茂男(いのうえ・しげお)】 日本テレビ客員解説員。皇室ジャーナリスト。元読売新聞編集委員。1957年生まれ。読売新聞社で宮内庁担当として天皇皇后両陛下のご結婚を取材。警視庁キャップ、社会部デスクなどを経て、編集委員として雅子さまの病気や愛子さまの成長を取材した。著書に『皇室ダイアリー』(中央公論新社)、『番記者が見た新天皇の素顔』(中公新書ラクレ)。