文化財保護困った 虫、カビ防ぐ燻蒸ガス 来春販売終了 福島県立博物館 新たな管理法模索
■温湿度管理で効果 古文書収蔵施設 古文書を中心に収蔵する施設は以前からガス燻蒸に頼らずに文化財を守ってきた。福島市の県歴史資料館は低酸素化や湿度管理で史料を保護している。新たに収蔵した際に袋状のパックに文書と脱酸素剤を入れ虫の成虫や卵が死に絶える1カ月以上置く。収蔵庫は湿度60%を切るのを目安に管理し、床などのほこりを定期的に除去、カビの発生を抑える。虫の発生状況を確認するためモニタリング用の捕虫わなを仕掛けている。これまでに大きな問題は確認されておらず、温湿度管理といった環境維持で一定の効果を上げている。 ※文化財害虫 130種類ほどが知られている。特に被害が多いのはシロアリ、ゴキブリ、カミキリムシ、ハチなど30種以上で、文書を食べたり体液を付けたりする。東京文化財研究所は今春、対策に役立ててもらうため、特徴や被害材から害虫の種類を簡単に特定できるサイトを開設した。