ソフトバンクとキリン AIがもたらす“自販機革命”!?【WBS】
今、AIの活用は様々な分野に広がっていますが、12日、ソフトバンクが自社開発したAIの新たな導入先として発表したのが、自動販売機です。果たしてどのような革命が起こるのでしょうか? 「あらゆる業界の社会課題の解決に向けて、AIを活用した新たな自動販売機のオペレーションに関するサービスを本日発表する」(「ソフトバンク」DX本部の松山誠部長) ソフトバンクとキリンビバレッジが開発したのは、自動販売機業界向けの新たなサービス。AIを使うことで、商品の補充や配達作業の効率化を図ることができるといいます。開発の背景にあるのは、業界が抱えるある課題です。 「現状は担当者が経験や勘を頼りに判断をして、最適化をしているが人がやっているので、判断にばらつきが生じてしまう」(「キリンビバレッジ」営業部の吉岡弘隆さん)
ばらつきとはどういうことなのでしょうか。自動販売機の補充を終えたトラック、その貨物室を見ると、作業を終えたにも関わらず多くの商品が残っています。その理由を尋ねると… 「突発的なものに対応できるよう少し余分に積んでいる。だいたいこのくらい残っている」(「東京キリンビバレッジサービス」北東京支店の加藤寛明支店長) 常に補充に必要な量以上の商品を積んでいるため、荷台を空にして帰ってくることはほとんどありません。帰ってきた車には早速翌日に補充する商品を積み込んでいきます。1台の車に積めるのは、およそ200ケース。50種類ほどの中から、どの商品をどれだけ積むかは担当者の経験に委ねられるところが大きいといいます。 「今は感覚的なもので、あしたの在庫をどのくらい積むかやっている。経験の浅い人はなるべく余分に積んでしまう傾向がある」(加藤支店長) こうした余分な商品を積まなくても良くなると期待されるのが今回の新たなシステムです。 自動販売機から随時送られる販売データや在庫情報をAIが分析し、最適な補充量や商品のラインナップが提示されるのです。これにより、業務時間はおよそ10%減り、売り上げは5%の増加が見込まれるといいます。 さらに補充に向かうトラックが効率よく回れる最適なルートもAIが提示します。 「われわれの業界は人が考える部分がまだまだあるので、そういうところにAIが組み込まれて効率が良くなることで、労働力にしても時短にしても効果が期待できる」(加藤支店長) スーパーやコンビニに比べると、売り上げが劣ると言われる自動販売機。それでも力を注ぎたい理由があるといいます。 「自動販売機であれば、われわれのメーカーの商品だけを販売することができる。自販機にひもづいている客を想像しながら品ぞろえをしていくのが重要」(「キリンビバレッジ」営業部の吉岡弘隆さん) キリンは10月から全国28万台ある自動販売機のうち、8万台でシステムを導入する予定です。一方ソフトバンクは、このシステムの導入先を広げたい考えです。 「コインランドリーとか巡回が必要な業務の業界は世の中にたくさんあるので、ドライバーやオペレーターの負荷を軽減するというところで社会課題解決に役立っていきたい」(「ソフトバンク」DX本部の松山部長) ※ワールドビジネスサテライト