「倒せる奴がいるとは思えない」米名伯楽が訴えた井上尚弥の異能 世界が恐れる怪物を破る“唯一のチャンス”とは？
井上尚弥（大橋）の快進撃は続く。昨年12月26日に東京・有明アリーナで行われたWBA＆IBF王者だったマーロン・タパレスとのボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一戦を制し、プロキャリアの通算成績を26戦無敗とした。 【画像】粘るタパレスを”ガードの上”から粉砕！井上尚弥が圧巻KO勝ちで”モンスター”ぶりを見せつけた4団体統一戦のド迫力シーンをチェック 試合後に「分析はしていた」と語ったタパレスの巧みかつ頑丈だったディフェンスも、“モンスター”はこじ開けた。4回に猛ラッシュでダウンを奪った井上は、10回にガードの上からワンツーパンチで右ストレートを強打。これで31歳のベテランは膝から力なく崩れ、リングに沈んだ。 アジア人では史上初となる2階級での4団体統一という快挙を成し遂げ、文字通り敵なしの強さを再び世界に知らしめた井上。無敗ロードを歩み続ける日本の怪物はいかにすれば止められるのか。これは彼と対峙するライバルだけでなく、多くのファンや識者も考えを巡らせているテーマだ。 このテーマに「この階級でイノウエを倒せる奴がいるとは思えない」と断じたのは、元IBF世界スーパーフェザー級王者で、元5階級制覇王者のノニト・ドネア（フィリピン）ら数々の名手を指導してきた敏腕トレーナーのロベルト・ガルシア氏だ。米専門メディア『210 Boxing Tv』公式YouTubeチャンネルで、井上の凄みを興味深く語った。 先のタパレス戦も「彼はシンプルに素晴らしい。俺も3時（アメリカ時間）に起きたよ。誰もがイノウエのパフォーマンスが見たいんだ」というガルシア氏は、「統一王者とのビッグマッチだったが、それは重要じゃない。彼は爆発性、スピード、パワー、スキル……全てが最高で、まさに本物だ」と強調。そして、井上を倒せる猛者はいるかという問いに、持論を投げかけた。 「タパレスはMJ（アフマダリエフ）に勝った男だ。そのMJだって十分にヤバい選手だよ？ だから簡単な試合ではなかったはずさ。だからイノウエはスペシャルなんだ。（井上を倒せる選手は）タンク（現WBA世界ライト級王者ガーボンダ・デービスの愛称）とは言いたくないし、実際に対戦は実現しないだろうけど、この階級でイノウエを倒せる奴が想像できないね。たとえば、咄嗟のラッキーパンチや、病気になったり、拳に怪我をしたりということがない限りね。そうなった時が倒す唯一のチャンスだと思う」 百戦錬磨の名伯楽にも「ラッキーでしか倒せない」と言わしめる井上。この事実こそが、彼の異能さを如実に物語っている。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]
