保育園がタイミーで「DJ募集!」のなぜ 園長に聞くと...子どもから大好評「DJさんの方を見て『どや』って...」
DJからも好評「ギャラが出るのがありがたい」
猪原さんによると、実は「んべべ商会」さんがDJをしたのは、この取り組みの2回目だった。1回目に採用となったDJは知識が豊富かつ親切で、集合時間の30分前に来園しセッティングを行ってくれた。以来、「専属DJ」として毎週来てもらっている。 DJを呼ぶ取り組みは、西新ぶんか保育園でも子どもたちから大好評だ。 猪原さんは、 「(来園したDJに)見られているからか、子どもたちは意外と、日課の体操とか踊りをいつもより頑張るんですよね。それで、体操などが終わったらDJさんの方を見て、『どや』って顔をしたりとか(笑)」 と、子どもたちの様子を明かした。 DJのプレイは日課の体操や踊り、かけっこの後に行うが、子どもたちは体力を使う日課の後でも関係なく飛び回ったり走り回ったりしており、「(DJは)次いつ来るの?」と次回を楽しみにしている子どももいる。猪原さんは「やっぱり音楽の力はすごい」と感じていると話した。 また、この取り組みはDJ側からも、「自分がかけた曲に(子どもたちが)100パーセント全力で応えてくれるっていうのが楽しい」「ギャラが出るのがありがたい」と喜ばれている。
保育士は「表現者」と考えるとタレントと同じ
こうした取り組みを始めた背景には、猪原さんの子どもたちに対する強い思いがあった。 「子どものためと言いながら親の方が強い、というのがイヤで。子どものために僕ら大人が成長する姿を見せよう、僕らが楽しいことをどんどん子どもたちと一緒にやっていこう、というスタンスでやっています」 もともと保育や教育関係の仕事出身ではないという猪原さん。10年ほど飲食業をしていたほか、過去には芸能事務を立ち上げようと活動していたこともあった。 保育園で働き始めてから、子どもの前で歌い踊り、本を読み楽器を弾く保育士は、「表現者」と考えるとタレントと一緒だと感じている。 「だったら保育士さんたちにできない表現者のところに(子どもたちを)連れていった方がいいなと思いました。いろいろな趣味、特技を持っている人をタイミーで探して呼んでこよう、というのが最初でしたね」 西新ぶんか保育園ではDJ以外にもクラシックのダンサーを招いたこともあり、日常的にこうしたゲストを招く。それ以外にも、月に1回、「園外保育」として美術館や博物館、観劇などに子どもたちを連れて行く。 子どもたちには「働く大人の背中を見せたい」――。猪原さんはそう話す。