経済成長率、26年ぶりの低水準 中国経済にいま何が起こっているのか?
中国が景気回復に焦る理由
しかし、問題がひとつある。中国共産党と政府は、16年3月に開催した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、16年からの第13次5カ年計画期間中の経済成長率を6.5%以上にするという目標を示している。これは、20年のGDPと国民所得を10年比で倍増させるという、共産党の公約を実現するために必要な成長率とされる。17年の成長率が6.5%を下回れば、成長率目標に抵触することになる。 17年秋には共産党指導部の政治局常務委員会メンバーが大幅に入れ替わる第19回党大会が予定されている。指導部としては、こうした重要な政治イベントのある年は、目標どおりの実績を挙げたいところである。17年の経済成長の行方が注目される。 (日本経済研究センター主任研究員 室井秀太郎)