25年300回欠かさず写経、1万巻達成間近 94歳の川原さん、夫婦では計1万6千巻
長野県飯田市の青龍寺で毎月開いている写経会「禅のつどい」が300回を迎えた。盛宣隆住職(70)は節目を記念し、1998年の初回から皆勤する川原広彦さん(94)=飯田市=に精勤賞を贈った。 「精神統一でぼけ防止の生きがいになっている」と話す川原さんは、納めた写経の数が現在9927巻で、1万巻に到達間近。川原さんの写す般若心経は一文字一文字が美しく整い、最後のため書きが一巻ごとに異なる。「世界平和」「家内安全」などのほか、先祖の命日には戒名を書くなど心を込めてしたためている。 禅のつどいは95年に同市南信濃和田の龍淵寺で始まった写経会にならい、南信濃木沢の住民らの要望で同寺の末寺である青龍寺でも開くようになった。川原さんは自宅でも一日一巻ずつ写経を仕上げ、妻の敏子さん(92)とともに寺に通っている。 盛住職は「夫婦で約1万6千巻とは素晴らしいこと。文字の美しさが澄んだ心を映しているようです」と長年の精進をたたえている。