2人で始まったチーム「単独出場したい」 スコアシートに残せた校名
(5日、第106回全国高校野球選手権福岡大会2回戦 小郡20―1久留米筑水) 久留米筑水のベンチで、マネジャーの山口心愛さん(3年)はスコアシートをつけていた。チーム名の欄には「久留米筑水」。それだけで誇らしかった。 【写真】試合終了後、ベンチに戻る久留米筑水のマネジャー、山口心愛さん(中央)=2024年7月5日午後1時39分、小郡市、西岡矩毅撮影 「野球が好きだから」と入部。だが昨夏、新チームになって残ったのは佐々木俊可主将(同)と山口さんの2人だけ。一時は他校との連合チームで試合に出ることもあった。不安な気持ちにもなったが、佐々木主将1人にノックをする監督に球を渡すなど、練習を支えた。佐々木主将は「元気はつらつに、ずっと声をかけてくれて支えになった」と感謝する。 「やっぱり単独で出場したい」。新年度になって入部勧誘の動画を作り、新入生に声をかけて部員を募った。 そして迎えた夏。1年生部員5人と野球経験者など部外の助っ人を含む計10人が揃った。単独チームで大会に臨んだ。 最初の試合で、夏は終わった。「負けちゃったけど、楽しかった」。目を赤くして、赤と黒のボールペンをしまった。(西岡矩毅)
朝日新聞社