背景はいつでも絶景の富士山 静岡の写真スポットに「マチカメ」
天候に恵まれない時でも富士山と茶畑の絶景をバックにした合成写真を撮影できる機器が２１日、静岡県富士市大淵の観光スポット「大淵笹場の茶園」の売店そばに設置された。 【写真で見る】事前撮影の富士山が合成された写真 大淵笹場では、電線や近代的な建物などが写り込むことなく富士山と茶畑を一枚の構図に収められる。以前から写真愛好家らには知られていたが、数年前から観光バスのルートにも組み込まれるようになり、現在は年間１万人以上が訪れている。 市は「特に夏場は富士山が見えない日の方が多い。何とか写真だけでも思い出と一緒に持ち帰ってほしい」と、ＫＤＤＩが全国の観光地などで展開しているセルフ撮影サービス「マチカメ」を導入した。 撮影は、市が新設したミニ展望台に用意されたＱＲコードをスマートフォンで読み取って行う。カメラは地上５メートルの位置にあり、見渡すような構図で撮影できる。富士山が雲に隠れていても、事前に撮影された画像と自動的に合成され、「本来はこんな景色です」という仕上がりになる。 写り具合はその場で確認でき、気に入れば画像サイズに応じて５８０～１０００円の３種類から選んで購入し、ダウンロードする。富士山の部分は、季節によって雪をかぶった景色などに切り替えるという。 茶園や周辺の施設を管理する「大淵二丁目ささば景観保存会」の藤田好廣会長（６９）は「せっかく海外や県外から来て、長い時間待っても富士山が見えず、後ろ髪を引かれるように帰っていく人を見るのがつらかった。マチカメの設置はありがたい」と話している。【丹野恒一】
