【中継】全壊した珠洲温泉の銭湯で“源泉”見つかる 壊滅状態の町で復興の兆しに
■珠洲温泉・100年の歴史ある「宝湯」が全壊 常連客が犠牲に…
珠洲市宝立町で銭湯を営む橋元宗太郎さん。珠洲温泉宝湯の6代目です。地震の直後、津波からの避難を叫びながら、妻の実家に向けて自転車で走りました。 1月31日、この惨状をあらためて目の当たりにしました。 珠洲温泉・宝湯 6代目・橋元宗太郎さん 「あーひどいな。雪解けてから初めてきたんかな、びっくりですね」 家族は無事でした。しかし、生活していた家は全壊。
橋元宗太郎さん 「この平屋で家族で一生懸命、頑張ってきたので。子どもたちの思い出のなんか、パパの絵、描くじゃないですか、保育所で。ああいうのとかも全部ぐちゃぐちゃになって。それが1番最初に悲しかったですね」 創業以来100年以上、地元の人たちに愛されてきた宝湯。しかし、地震と津波で本館が倒壊し、入浴中だった常連客の1人が犠牲となりました。 橋元宗太郎さん 「こういうふうに建っていました。それが全部こっちにズドーンと来ましたね」
■がれきの下から音… 心身ともに癒やされる湯が復活
発災から2週間後、家族との思い出を捜しにこの場所に戻って来た橋元さん。がれきの下から「ある音」が聞こえてきました。 ――見つけた時は何を感じましたか? 橋元宗太郎さん 「正直ちょっとうれしかったですね。自然と気持ちが高ぶるというか。ずーと沈んでたんで、自然とちょっと元気になる」
この源泉を、倒壊を免れた別館に送るため、ホースをつなげ、がれきの下を通しました。そして先週、宝湯の温泉が奇跡的に復活しました。
橋元宗太郎さん 「すごく無理が、知らず知らずのうちにかかっていますので、気持ちがいっぱいいっぱいだと思うんですけど、そういう中で温泉に入ると、心身ともに癒やされるお風呂なので、ぜひ入ってほしいですね」
■美容室も再開 温泉が復興の兆しに
さらにこのお湯は、断水状態の町で、近所の美容室による散髪サービスに使われ始めました。 壊滅状態の町で、温泉が復興の兆しとなっています。 橋元宗太郎さん 「最初に宝湯の銭湯でなくなった常連のおじいちゃんのご家族、お孫さんとひ孫さんに(再開したら)最初に入ってもらいたい」