『不死身ラヴァーズ』で初の映画単独主演を務めた見上愛

松居大悟監督が高木ユーナのマンガを映画化した『不死身ラヴァーズ』の公開記念舞台挨拶が5月11日にテアトル新宿で開催され、見上愛、佐藤寛太、青木柚、澤部渡(スカート)、松居監督が登壇。澤部が主題歌「君はきっとずっと知らない」を生歌唱したほか、松居監督から本作で単独初主演を果たした見上へサプライズで手紙が送られ、見上が感激の涙を流した。 【写真を見る】見上愛、カラフルな花が舞うキュートな白レースドレスで登場 原作を読んでから10年以上、松井監督が企画を温めてきたという本作は、主人公の長谷部りの(見上)が、甲野じゅん(佐藤)を“運命の相手”と信じて追いかけていくラブストーリー。両想いになった瞬間にこの世界から忽然と消えてしまう甲野じゅんに、りのは「好き」と伝え続けていく。 満席の会場を見渡した見上は「感慨深いものがあります」と切りだし、「昨日観た方々から、感想が来たりもしていて。人に届いているんだという自覚が生まれて、うれしい限りです」とにっこり。観客から「元気になった」という感想も届いているそうで、「私のヘアメイクさんが昨日、観に行ってくださって。観終わった後にルンルンで帰っていったらしいんです。それって、相当元気になっているじゃないですか！すごくうれしかったです」と笑顔を弾けさせていた。りのを見守る幼馴染の田中を演じた青木とは共演を重ねており、見上は「5回目ですから。腐れ縁」と目尻を下げ、青木も大笑い。青木が「(劇中の関係性と)まったく同じです。いつも相談に乗ってあげている」、見上が「アドバイスなんてされたことない」とジョーク混じりに丁々発止のやり取りを繰り広げるなど、息ぴったりの様子を見せていた。 主題歌と劇伴を担当した澤部は、主題歌を制作するうえで「本当にいろいろ考えた」と試行錯誤があったという。「本来、映画のエンディングだったら、壮大なバラードがかかったりすると一番いいのかなと思う。それがバッチリとハマる場合もあるけれど、この映画の場合はそれが通用しなかった」と明かし、「それくらい、とても不思議な映画。そこに自分はなにを投げられるかなとすごく考えて、弾むようなビートだけれど、メロディはせつないというものに落ち着きました」と過程を振り返った。 ステージでは澤部が生歌を披露する場面もあり、澤部が弾き語りで伸びやかな歌声を響かせると、会場、そして登壇者陣も感激しきり。見上は「撮影は1年前だったんですが、撮影の時の気持ちをものすごく思いださせられる曲。りのや他のキャラクターの感情を、全部知っているんじゃないかと恐ろしくなる。泣きそうになっちゃいました」と映画の世界観にぴったりだと惚れ惚れとし、佐藤も「泣いちゃう。うれしいですね。この日に映画館に足を運んで幸せですよね」と会場と喜びを共有。澤部は「映画ともども、愛していただけたら」と呼びかけていた。 最後にはサプライズで松居監督から見上へ、手紙が送られた。見上は「ええ!?やだ！なにそれ！」とびっくり。佐藤からマイクサポートを受けつつ、松居監督は「10年以上眠っていたこの作品は、見上さんがオーディションに来てくれたあの瞬間から、動きだしたんだと思います。長いトンネルのなかで、光を見せてくれました。見上さんがいなかったらきっとこの作品をつくれていないし、この場所にも立っていない」と手紙を読みあげ、「本当にありがとうございます」と感謝を伝えた。心のこもった言葉に涙を流した見上は「今日、バチバチにメイクしてもらったのに」とスタッフからティッシュを受け取り、「ありがとうございます」と照れ笑い。佐藤は「男性陣が誰もハンカチを持っていなかった」と謝り、会場を笑いに包んでいた。見上は「本当にこの組で、この作品を撮れたことが幸せ」としみじみ。「いろいろな人に届いて、みんなのパワーになっていけばいいなと思います」と映画に込めた想いを語り、大きな拍手を浴びていた。 取材・文/成田おり枝