インフレ下で求められるのは投資ではなく資産運用…レバナス一本、オルカン一本ではリスクが高すぎる理由
資産運用は分散も重要
投資信託での運用と言っても、投資資金の100%をレバナスに投資すれば、それは「投機」に他なりません。資産運用のポイントは分散にもあり、特に資産防衛には分散投資が必要不可欠です。 例えば、世界最大の公的運用機関とも呼ばれているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、国内株式・外国株式・国内債券・外国債券を各25%の比率で運用中です。それでも十分な投資パフォーマンスを出しており、GPIFの分散方法は分散投資の一つの参考となります。
資産防衛に向けて頼れる分散投資先
資産防衛には分散投資が重要です。それでは個人で資産運用を行う際に、どのような商品に分散投資すればよいか以下に取り上げてみましょう。 ・eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)など全世界型株式の投資信託やETF ・S&P500指数連動型のETFや投資信託 ・TOPIX連動型のETFや投資信託 ・国内REIT指数連動型のETFや投資信託 ・海外REIT指数連動型のETFや投資信託 ・金価格連動型のETFや投資信託 ・米国債組み入れ型のETFや投資信託 ・国内債券組み入れ型のETFや投資信託 人気のオルカンも資産運用先として充分役立ちます。しかし資産防衛という観点では、オルカン一本の投資はおすすめできず、あくまでも運用先の1つとしての位置付けです。GPIFの投資先は国内株・外国株・国内債券・外国債券の4本立てですが、それらに加えてREITや金を組み入れてもよいでしょう。iDeCoにおいても、金の投資信託を取り扱う金融機関は複数あります。
資産を守りながら運用するなら分散させること
“資産防衛”という観点では分散投資が重要です。“資産増加”という攻めの観点では集中投資による一点突破が有効ですが、守りと攻めでは目的が異なります。 オルカンなら簡単に資産形成できる、インフレになると金価格が上昇する可能性が高い、一時的な暴落はあっても長期的見れば米株式市場は右肩上がりなど、攻めの一点突破のための投資商品や投資手法は様々です。ただし”資産を守る“という観点では、優良な金融商品であっても分散投資を心がける必要があります。株式市場には急落が付きものです。分散投資は特に株式市場の急落時に、自らの資産を守ることにつながります。資産運用を行う際は、性格の異なる投資信託・ETF・REITを分散させる形で行いましょう。
石井僚一