JR九州が運賃値上げを検討 早ければ年内にも国に申請へ 相次ぐ自然災害や人手不足で
RKB毎日放送
相次ぐ自然災害や人手不足などで鉄道事業を取り巻く環境が厳しくなっているとして、JR九州が運賃の値上げに向けた検討を進めていることが分かりました。 【写真を見る】JR九州が運賃値上げを検討 早ければ年内にも国に申請へ 相次ぐ自然災害や人手不足で ■鉄道利用者数はコロナ禍前の「94%」にとどまる JR九州は運賃の値上げに向け具体的な値上げ幅や実施時期などについて検討を進めています。 鉄道の利用者数は回復傾向にあるものの、コロナ禍前の2018年度の94%にとどまっているうえ、相次ぐ自然災害や人手不足などで鉄道を取り巻く環境が厳しくなっていることを要因として挙げています。 JR九州 古宮洋二社長 「今後も94%が続くなら、94%の人数でいかに鉄道を運営していくかというのを中長期的に考えていかないといけない。ここが1番の課題だなと思います」 ■早ければ年内にも国に申請 1996年以来の値上げへ 値上げによる収益を鉄道を維持する費用などに充てる狙いで、早ければ年内にも国土交通省に申請する見通しです。 JR九州が運賃を値上げすれば、消費税増税に伴うものを除いて1996年以来となります。 ■3期連続の「増収増益」なのになぜ値上げ? JR九州の2023年度の営業収益は、西九州新幹線の開業効果やホテル業などの収入が増加したことで、前年度に比べて371億円増の4204億円。 純利益は前年度に比べて72億円増の384億円で、3期連続の増収増益となりました。 JR九州は今回の値上げの理由の一つとして、輸送人員の回復が頭打ちしていることを挙げています。 2023年度の輸送人員は3億1887万8000人で、コロナ禍前の約94%にとどまっています。 JR九州の古宮社長は「在宅勤務やオンライン会議などの社会様式が定着して、通勤定期の購入や出張が減った」「いかに鉄道を運営していくかを中長期的に考えていかないといけない」と話しています。 国土交通省は今年4月、鉄道事業が安定的・持続的に運営できるように、鉄道運賃水準の算定の根拠となる「総括原価」の算定方法を27年ぶりに見直し、自然災害からの復旧や人材確保などの設備投資やコストを運賃に反映しやすくしました。 JR北海道はこの算定方法の見直しを踏まえ、来年4月をめどに約8%の値上げを検討していますが、JR九州は運賃の値上げ幅や時期について「現在、検討中」としています。
RKB毎日放送