鈴木新知事“初仕事”は会派あいさつ回り 残る不信任可決ライン「51」 県議会対応も注目
静岡県知事選で初当選した鈴木康友新知事は28日、県庁で当選証書付与式に臨んだ後、あいさつのため非公式に県議会各会派を回った。県議会は川勝県政で取り沙汰された知事不信任決議案の可決ライン「51」を知事与党以外の議員で満たす状況にあるだけに、新知事は丁寧な議会対応が求められそうだ。 最初に訪ねたのは、知事選で対立候補の大村慎一氏(60)を推薦した自民党所属議員による最大会派自民改革会議。役員室に居合わせた相坂摂治代表が非公開で約2分、面会した。相坂代表は取材に「川勝県政は終わった。引きずることはない。『お互いにいろいろなやりとりをしましょう』と申し上げた。誤解が生じないようこちらも努める」と話した。 知事選で支援を受けた第2会派ふじのくに県民クラブの控室では、役員ら数人と選挙戦を振り返った。田口章会長は「不信任案提出はめったにない出来事。知事も状況を踏まえ、丁寧に対応するだろう」と述べた。知事選は自主投票だった公明党県議団の控室は知事の訪問時不在で、蓮池章平団長は取材に「議会で話をじっくり聞き、是々非々で対応する」と語った。 県議会の定数は68人。知事与党のふじは静岡市清水区の県議補選で当選した山田新氏(43)が入会予定で17人になり、その他51人の構成は自民41人、公明5人、無会派5人。 知事選では自民に加え無会派議員の大半も大村氏支援に回った。ただ、自民会派内には新知事と親しい県議もいて、自民県議の一人は「すぐに対立関係とはならない」と指摘する。川勝県政末期のような混乱は避けたいとの思いが透ける。 法的拘束力のある知事不信任案は、出席議員の4分の3の賛同で可決される。出席議員が68人の場合、51人が可決ライン。2023年の県議会6月定例会で提出された川勝平太前知事に対する不信任決議案はわずか1票届かず否決された。
静岡新聞社