自民党裏金疑惑、どこまで広がる?派閥の今後は?朝日新聞政治部記者・今野忍氏が斬る 選挙ドットコムちゃんねる
各社世論調査の結果、「青木率」はどう捉えればいいの?
各社世論調査の結果では、岸田内閣の支持率が低迷していると報道されています。 今野氏「よくこの数字で(政権が)持ってるよなって。20%なら危険水域と言われたけれど。選挙ドットコムさんでも20%切ってますもんね」 とはいえ、今回の問題は「岸田さん個人の失策ではないですもんね」と今野氏。 そもそも、清和政策研究会が「安倍派」になったのは2021年9月のこと。安倍氏は総理だった期間、派閥を抜けていたのです。そうしたことから、安倍派と呼ばれ、安倍氏が存命の間に派閥がどんどん成長していったといえ、亡き安倍氏が当時の細かいお金の動きまで把握していたわけではないと思われることも、念頭においておく必要がありそうです。
ところで、危険水域の指標となる青木率。比較的支持率が高く出やすいと言われる、日経など「大手町三社」でもかなり危険水域です。 今野氏は、青木率は、野党が強い時代には非常に有効な指標といえるが、これだけ野党が「多弱」な状況では、青木率の有効性を失いつつあるのではないかとコメントします。
過去の「政治とカネ」問題から見る今後は
MC山本「茂木派は今回に関しては無傷なんですか?」 今回、ここまでのところ「無傷」な茂木派。 今野氏は、過去の「政治とカネ」問題をひもときます。 茂木派は2004年、日歯連から当時の平成研究会(旧橋本派)へのヤミ献金事件で、当時官房長官だった村岡氏が立件された一派の流れをくんでいます。 今野氏「ヤミ献金に対して耐性があった。清和はこの時無傷だったから。歴史のあれですよね」
近年の、主な政治資金規正法違反と立件額は、このようになっています。 MC山本「出ているメンバーの中で、今回の件に似ているかたっていらっしゃいますか」 今野氏「似ているのは薗浦健太郎さん(元衆院議員)。政治資金収支報告書の不記載で起訴されました。金額も大きい。この時は個人、今回は派閥ですが、似てますね。あとは、派閥の不記載という点では、村岡兼造氏」 今回の件は、どのくらいの規模の問題になるのでしょうか。 今野氏「形式犯なので、ガンガン政治家を逮捕されるってことにはならないんじゃないかって言われている。大山鳴動して鼠一匹になる可能性もなくはなくて」 たかが不記載といっても、その額が一千万円単位であれば略式起訴の可能性もあるかもしれない、と今野氏は解説します。 政治資金規正法はお金の流れを見える化する法律です。共謀を問わなければならない。秘書がやっていたことを議員を知らなかったと言われたら、検察には立証責任がある。
MC山本「ところで、キックバックは文化だという名言を残された?あの方は……」 「キックバックは自民党の文化だ」と発言した鈴木前総務大臣。安倍派で、先日更迭された鈴木氏が、引き継ぎの日に記者団に囲まれた時の発言とのことです。 鈴木氏は地元の市議出身。この発言からは、地方で自民党は、収支報告書への不記載を続けてきたのではないかと推察されます。 今野氏「この件はまだまだ来年も続きますよ。政権にも直結するし、外交にも影響を与えかねない」 選挙ドットコムちゃんねるでも、この問題は引き続き取り上げる予定です。お見逃しなく!