ネット炎上も 芸能人の写真修整どこまで許されるか
事務所、タレントによっても異なる“修整”の度合い
筆者もふだん芸能関連の取材をしていて、純粋な報道記事以外、インタビューなどの企画記事の場合はタレントの所属事務所から写真の修整を求められることは普通にある。会見など完全な報道の場合は写真の確認自体なく、もちろん修整することもないが、インタビューなど企画記事に載せる決めカット(ポーズをとったキメ写真)では写真自体の明暗や色調、できものなど肌荒れ、顔色程度の修整なら施すことが多い。その日の体調の良し悪しが記事の内容に深く関係する場合でもない限りは、修整したほうがタレントのパブリックイメージに近いということもある。 炎上したり問題になるのは、度を超えた修整をした場合だろう。それもどこからが度を超えるのか、という線引きをするのはなかなか難しい。筆者の経験からは、修整に対するスタンスは所属事務所や担当マネージャーによってかなり違う。「おまかせします」という場合から、「歯並びを直してくれ」というレベルのものまである。さすがに「歯並びを直せ」クラスの要望になると、こちらも「歯医者に通ってから仕事してください」と言いたくなってしまうし、やんわりお断りすることになる。第一、その歯並びで普段から番組や映画にも出ているわけで、インタビュー記事の写真だけきれいに整えてもたいして意味はないだろう。むしろ記事を見た人が修整のない状態を見たときに「あれ?」と妙なギャップを感じてしまうかもしれない。 広告写真、ニュース写真、タレントのSNS写真、それぞれケースは異なるので一緒にはできないのだが、あまりに行き過ぎた修整はかえってタレントのイメージを損なうリスクもあることは考えないといけないだろう。 (文・写真:志和浩司)