１０月７日、インドのモディ首相（写真右）は、インド洋の島国モルディブのムイズ大統領（写真左）との首脳会談で、債務危機に陥ったモルディブが立ち直ることを目指した戦略的な支援を強化すると約束した。写真はインドのニューデリーで撮影（２０２４　ロイター／Adnan Abidi）

[ニューデリー ７日 ロイター] - インドのモディ首相は７日、インド洋の島国モルディブのムイズ大統領との首脳会談で、債務危機に陥ったモルディブが立ち直ることを目指した戦略的な支援を強化すると約束した。 モディ氏は米ドルで４億ドル規模、インドルピーで３００億ルピー（３億５７３５万ドル）規模の通貨スワップ協定で合意したと説明。さらに、インドはモルディブのインフラ整備のために広範な支援を提供する意向を示した。また、モディ氏とムイズ氏は、両国が自由貿易協定（ＦＴＡ）の締結に向けて交渉することも明らかにした。 モルディブはイスラム国債で初めてのデフォルト（債務不履行）に陥るとの懸念がここ数カ月間で高まっていたが、影響力を争う中国とインドが新たな支援策を打ち出したことで不安視する見方は後退した。 インドは９月にモルディブへの緊急財政支援策として、モルディブ政府の要請を受け入れて５０００万ドル相当の短期債を引き受けると発表した。これは中国がモルディブとの貿易関係と投資を強化することで合意した数日後だった。 世界銀行のデータによると、モルディブが抱えている債務の多くは対中国と対インドでそれぞれ１３億７０００万ドル、１億２４００万ドルとなっている。 モルディブは新型コロナウイルスのパンデミック（世界的大流行）によって主力産業の観光業が打撃を受けたことが響いて債務危機に陥り、債務不履行への懸念が高まっていた。