メタバース婚活とは? 仮想空間での出会い、年収や見た目などのスペック以外で自分を見てもらえる
インターネット上の仮想空間「メタバース」を活用した婚活。自分の分身「アバター」を介して男女が出会い、交流を深める。移住・定住者の増加を目指す自治体も注目し、メタバース空間での婚活パーティーを開催する。仮想空間で「出会う」魅力とは何なのだろうか。 【メタバース婚活の場面】デートは桜並木の下、バーカウンター、水族館…
■AIがおすすめの相手を1人選び出す
どんな場所か知るため、恋愛メタバースサービス「Memotia」にスマートフォンで入ってみた。年齢や出身地などの情報を入力しアカウントを作成。早速「デートへ」のボタンを押すとバーカウンターのある空間に案内された。 画面は自分のアバターから見た一人称視線と俯瞰(ふかん)視点の切り替えが可能だ。水族館や桜並木など約25の空間がある。 Memotiaで運命の相手と出会った人がいる。東京都の会社員小山昴さん(仮称、39歳)だ。妻の鈴木あいさん(仮称、39歳)と昨年12月に結婚した。3回の「メタバース」デートの後、初めてリアルでデートした時には「『中の人』がきた!」と感じたという。 「メタバース」で最も良かったのは「年収や見た目などのスペック以外で自分を見てもらえた」ことだ。通常のマッチングアプリは自分に関係する写真を登録し、複数人から「いいね」を押したり押されたりする。Memotiaでは希望する相手の年齢、喫煙の有無などをもとに人工知能(AI)がおすすめの相手を1人選ぶ。 Memotiaを運営するFlamers(東京)によると、ユーザー数は昨年11月から2カ月で3倍に増えたという。同社は「顔や年収から『選ぶ』『選ばれる』判断でなく、相手の内面を知りたい人が増えているのでは」と分析する。
■全国19の自治体が開催 マッチング率は81%
自治体も注目する。自治体や企業向けにメタバース空間での婚活パーティーを企画しているメタバース婚活協会(東京)の協力で、これまでに全国19の自治体が開催した。平均マッチング率はなんと81%に上る。 中国地方では昨夏、出雲市が全国で初めてリアルとメタバースを併用したイベントを実施。男女計19人が参加し、6組のカップルが誕生した。20日には、鳥取県が独自のスマホアプリを使って開催。相手の外見や肩書に左右されないある意味「リアル」な婚活。今後も広がっていきそうだ。