「静かな退職」と「静かな休暇」は“反対”の言葉? 山田進太郎D&I財団COO 石倉秀明氏と考える処方箋
話題になった「静かなる退職」に続き、「静かな休暇」というフレーズも耳にする機会が増えてきた。 【映像】「マウスだけ動かす」「メール送信予約を悪用」…「静かな休暇」のやり口 両者の違いや社会の課題について、山田進太郎D&I財団 COOの石倉秀明氏と考えた。 静かな退職とは「努力をしても給与に反映されない」「仕事よりプライベートを優先したい」などの理由で、契約通りのタスクのみを遂行する、“まるで退職したように静かに働くスタイル”のことだ。 静かな退職について石倉氏は「契約通りの仕事をしているのであれば、何が悪いのかが全然わからない。どれほど努力してもあまり働いていない人と昇給額に差がつきにくい日本型の制度下において『静かな退職』はある意味合理的な気さえする。例えば2倍仕事したら、その分評価されて同期より給料が10万円上がるとなれば頑張りがいがあるが、メリットなしでやる気だけ出せと言われても難しいだろう」と述べた。 次に「静かな休暇」とは、リモートワークの普及で広がった言葉であり、上司や同僚に報告せずに“休みを取る”ことを指す。つまり“働いているように見せかけながら仕事をしていない状態”だ。有給休暇を取得していないケースがほとんどであり、例えばリモートワーク中に仕事をせずにマウスだけを動かしてログイン状態を維持したり、勤務時間外にメールが送信されるよう設定して夜遅くまで働いているふりをするなどの“やり口”がある。 「静かな休暇」について石倉氏は「これは『ただのサボり』であり、キレイな言葉にしてはいけない」と述べた。 「当たり前だがこれは注意すべきであり、もし仕事が終わっていない、成果が出ていない、となれば給与を下げることも選択肢だろう。とはいえ、『やり方が分からない』『任されているタスクのレベルが合っていない』ために“静かな休暇状態”になっているのであれば、上司がサポートしたり、その人に合わせたタスクの進め方を設計してあげる必要がある」 (『ABEMAヒルズ』より)
ABEMA TIMES編集部