【10月に観たい映画】GINZA編集部レコメンド!
GINZA編集部が、新作映画3作品をレビュー!今月何を観ようか迷ったら、こんな作品はいかがでしょう?
『ぼくが生きてる、ふたつの世界』
『そこのみにて光輝く』(14)、『きみはいい子』(15)などの作品を手がけた呉美保の、9年ぶりの長編監督作。きこえない、またはきこえにくい親を持つ聴者の子ども=コーダとして生まれた作家の五十嵐大による自伝的エッセイが原作。主人公・大(吉沢亮)と彼を取り巻く家族の葛藤、孤独、そして続いていく人生を丁寧に映し出す。ろう者の当事者である俳優が演じる登場人物たちの、手話という視覚身体言語の豊かさ、ユーモア、個性に魅了される。 ●9月20日(金)より全国ロードショー中。 ©五十嵐大/幻冬舎 ©2024「ぼくが生きてる、ふたつの世界」製作委員会
『憐れみの3章』
『哀れなるものたち』(23)の監督ヨルゴス・ランティモスがエフティミス・フィリップと共同脚本を手がけ、観る者たちを未体験ゾーンへ連れていく怪作。エマ・ストーン、ウィレム・デフォー、マーガレット・クアリー、ジェシー・プレモンスらが3つの物語でそれぞれ異なるキャラクターを演じる。奇想天外で独特すぎる展開を見せながらも、複雑で矛盾した人間関係の中に、絶望的な状況を前になぜか変な行動をしてしまう我が身を重ねて、妙に笑えてしまう。 ●9月27日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー中。 ©2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』
A24史上最高のオープニング成績を記録した、アレックス・ガーランド脚本、監督作。舞台は、そう遠くない現実にも思える内戦が勃発した近未来のアメリカ。ジャーナリストらは、大統領に単独インタビューを行うためホワイトハウスへ急ぐ。道中、資本主義社会の目に見えない争いがこれでもかと可視化され、なぜ奪い合うのか、根源の見えない問いは消えない。対話を促すジャーナリズムの目を通し、自ら答えを出すしかないことを突きつける戦争映画だ。 ●10月4日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開。 ©2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY. All Rights Reserved. ●Recommender_小川知子 ライター。『フリーダ ~愛と痛みを生きた肖像~』(Prime Videoで配信中)は鮮やかで生き生きしたフリーダ・カーロのドキュメンタリーでした。
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