【B1クラブ展望/大阪】創設20周年の節目…藤田弘輝HC体制で4季ぶりのCS進出を狙う
マティアス・フィッシャーヘッドコーチ2シーズン目となった昨シーズンの大阪エヴェッサは、開幕7連勝とスタートダッシュに成功しながら、その後一転して10連敗。アウェーで7勝23敗と大きく負け越したことも響き、浮上のきっかけをつかめないまま、最終的には25勝35敗の西地区7位で終えた。 【動画】天皇杯2次ラウンド 大阪vsA千葉のフルマッチ映像 今シーズンは指揮官交代に加え、外国籍選手3人を総入れ替えすることとなったが、藤田弘輝HCとともに仙台から移籍してきたヴォーディミル・ゲルンは昨シーズンのリバウンドランキング2位で、大阪の弱点を的確にカバーし得る存在。藤田HCの戦略を理解している点でも、重要な役割を託されることになる。アジア特別枠のレイ・パークスジュニアは、屈強なフィジカルを活かしたドライブとディフェンスでチームを勢いづけることができる。日本人選手は入れ替えが少なかった分、琉球ゴールデンキングスでリーグ制覇を経験した牧隼利の加入が周囲にどのような影響を与えるかがポイントとなりそうだ。 そして、藤田HCの就任は大阪を変える最大のファクターになる可能性がある。外国籍選手に必要以上に依存しないスタイルを志向してきた藤田HCは、昨シーズンまで3シーズン率いた仙台89ERSでも日本人選手、特にガード陣の得点力アップに成功している。bjリーグ発足と同時に誕生した大阪は、今シーズンがクラブ創設20シーズン目。竹内譲次や合田怜、橋本拓哉など地元出身の選手も多く、節目のシーズンに選手個々が高い意識を持ち、2020-21シーズン以来4シーズンぶりのチャンピオンシップ進出を目指して力強く戦いたいところだ。
■KEY PLAYER/PF #5 マット・ボンズ
長崎ヴェルカに加入した2021-22シーズンはB3で、翌シーズンはB2でいずれもリーグMVPを受賞し、B1最速昇格の立役者となったオールラウンダー。数字に表れないプレーも決して手を抜くことのない、献身性に優れた日本向きの選手であり、大阪の躍進のカギを握ることは間違いない。オフコートでは誠実な人柄も大きな魅力で、持ち前の“イケボ”もあいまって、新天地でもブースターの心をつかむだろう。 文=吉川哲彦
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