高校生が見たノーベル平和賞授賞式 心に残る田中熙巳さんの証言「被爆者から直接聞いて継承したい」
広島ニュースTSS
日本被団協のノーベル平和賞授賞、この歴史的な瞬間を高校生も見守っていました。 【崇徳高校新聞部2年・合田陽さん】 Q:取材に向かうときの緊張感はいつもと違う? 「違いますね」 「この受賞をどうつなげていくかは、私たち若者の使命だと思っているので」 崇徳高校新聞部2年の合田陽(ごうだ はる)さん。(社会問題担当) 来年迎える被爆80年特集取材班の一員として被爆者の声や動きを取材してきました。 Q:そこまで頑張るのはなぜ? 「高校に入って新聞部に入るまでも被爆者の方からお話を伺うことはあったが、どこか他人事で核は使われることないだろうと思って生活していた部分があった。高校に入って取材として被爆者の方と話すことになったときに自分事として考えないといけないなとすごい感じるようになった」 長崎にも足を運び知識を深めました。 資料館の地下で授賞式を見守る被爆者などを取材します。 【被爆者】 Q:この受賞がどうつながっていったらいい? 「若い人も知ることですよね。自分のものにする」 【被爆者】 Q:若者に期待したいことは? 「忘れてはいけない問題で常にそういう危険が我々の背中にはあるわけで、それを許さんように。まあしっかり頑張って」 被爆者たちは新聞部のような高校生の眼差しがもっと増えてほしいとの願いを抱いています。 【被爆者】 「一般の高校生はまだまだ(意識が低い)こういう風に取材者としてどんどん記事に出している人はわかるが、一般の人がね」 授賞式が始まると真剣な表情でスピーチに耳を傾けペンを走らせます。 合田さんたち以外の部員も10日は平和公園近くのカフェでも取材を展開しました。 リアルタイムで目にした”歴史的な瞬間”。 この受賞をどのように繋げるか…。 自らの言葉で記事にまとめます。 《スタジオ》 【加藤キャスター】 ここからは合田さんにお話を伺います。 【崇徳高校新聞部・合田陽さん】 「よろしくお願いします」 Q:改めて授賞式当日を新聞部の記者として取材して一番印象に残ったことはどのようなことですか? 「私が一番心に残ったことは、田中熙巳さん自身の被爆証言です。田中さんは20分間のスピーチで、自身の被爆体験を語られました。そんな中で長崎の惨状を見たときに無感動となり、人間らしい心を閉ざしたという言葉がありました。私はこの言葉を聞いて、戦争は一発の核兵器が無残にも人々の日常を一瞬にして奪っていったこと、そして人間の心を無くさないとやるせなかったというほど、核兵器は非人道的なものだったと強く感じました。またそれと同時に被爆証言がどれだけ重要なのかということを改めて感じました。今、被爆者の平均年齢85歳となっており、私たちが直接お話を伺える最後の世代と言っても過言ではありません。できるだけ多くの被爆者の方にお話を伺い、記録、記憶として継承して行きたいです」 田中熙巳さんスピーチの中でも次世代の工夫に期待したいと話していました。 神田さん達の今後の活躍にも私たちも期待しています。
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