アルトマン氏、AIインフラ支援で世界的な官民協力体制を働き掛け
(ブルームバーグ): 米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は、人工知能(AI)技術の開発に必要な半導体の供給やエネルギー、データセンター容量の強化を支援するため、官民トップによる世界的な協力体制の構築に向けた取り組みを進めている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
アルトマン氏は今週、アラブ首長国連邦(UAE)で現地の投資家や政府当局者らと面会し、費用のかかる大規模なAIインフラの支援に向けて民間セクターが各国とどのように協力できるかについて話し合った。部外秘の協議内容だとして匿名を条件に関係者が語った。
関係者の1人によると、同氏はこれまでに、多くの西側諸国でも当局者と協議しており、週内には米ワシントンで会議を開く。この取り組みがどのような形になるかはまだ明らかではない。
こうした会合はこれまでに報道されていなかった。半導体の供給やその他の重要なインフラの構築がAIの急速な普及ペースに追いついていないとの懸念にアルトマン氏が対処しようと取り組んでいることを示す。ブルームバーグは先に、同氏が半導体ベンチャー向けに世界の投資家から数十億ドルの資金調達に動いており、半導体製造工場のネットワーク立ち上げを目指していると報じた。
アルトマン氏、AI半導体工場ネットワーク向け資金調達模索-関係者
アルトマン氏による世界の当局者との関与は、そうした取り組みがこれまで知られていた以上に広範にわたることを意味する。また、進行中の協議は、半導体生産だけではなく、エネルギーやデータセンターの容量などの確保にも及んでいるという。
オープンAIの広報担当者は「既報の通り、オープンAIは半導体やエネルギー、データセンターの世界的なインフラとサプライチェーンの強化について継続的に協議している」と文書で回答。「さらに詳しい内容については後日、伝えられると期待している」と付け加えた。
対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」を開発した同社は、AIシステムに電力を供給するため膨大なエネルギーを要することが、ハイテク業界が直面する最大のインフラ課題の一つだと捉えている。同社の考え方に詳しい関係者が明らかにした。