ひろゆき&リュウジのバズ論破トーク⑧ リュウジが低温調理器や薄口醤油の使用を封印してきたワケは?【この件について】
ひろゆきがゲストとディープ討論する『週刊プレイボーイ』の連載「この件について」。今回は料理研究家のリュウジさんを迎えての8回目。「料理研究家は道具にもこだわるのか?」と思ってリュウジさんに尋ねてみると、意外にも包丁は1万円で、簡易的な研ぎ器を使っていると。そのほかのこだわりも聞いてみました。 リュウジいわく「低温調理器を使うとパサパサになりやすい鶏肉が柔らかくなるんです!」 *** ひろゆき(以下、ひろ) 純粋な疑問なんですけど、料理研究家の人は包丁のテクニックを磨くための練習とかってするんですか? リュウジ(以下、リュウ) ほかの方は知りませんが、僕はしません(笑)。例えば、お刺し身に添えられているキュウリが竹の形みたいになっている「飾り切り」というテクニックがあります。 ひろ よく日本料理のお店とかで出てくるやつですね。 リュウ はい。ああいう飾り切りは「料理全体が華やかになったので、一皿2000円いただきます」という感じで付加価値をつける目的なんですよ。でも、僕は料理人ではなく料理研究家です。料理人を諦めた時点で、そういったテクニックは不要になりました。 ひろ なるほど。 リュウ 飲食店で働くのなら飾り切りなどの練習は必要ですけど、おいしい家庭料理のレシピを作るのにはオーバースペックです。 ひろ ちゃんと手入れした包丁で切ればいいと。 リュウ はい。正直、包丁のテクニックで味の差はそんなにつきません。もちろん、トマトの断面から余分な水分が出ない切り方とかはあります。でも、テレビショッピングの実演じゃないですけど、ちゃんと手入れした包丁を使ってスーッと引けば誰でもきれいな断面になりますよ。 ひろ あはは(笑)。逆に言えば、どんなに包丁さばきがうまい人でも、手入れをしていない包丁を使っているときれいに切れないと。リュウジさんは、包丁にこだわりとかあるんですか? リュウ 今メインで使っているのは1万円くらいのやつです。料理人になるときに3万円くらいの包丁を買いましたけど、「別に高い包丁じゃなくてもいいかな」という結論になりました。 ひろ 高い包丁を買うより、定期的に手入れするほうが大事という感じですか? リュウ そうですね。だから、ちゃんと研ぐようにはしています。でも、砥石ではなく、「ウオーターシャープナー」という簡易的な研ぎ器を使っています。以前は砥石を使っていたんですが、やたら時間がかかるし、差もほとんどありません。ただ、気をつけてほしいのは砥石と研ぎ器の両方を使っちゃいけないということです。 ひろ そうなんですか。素人考えだと、日々のメンテは研ぎ器でやって、たまに砥石でしっかりケアするほうがよさそうに思いますが。 リュウ 砥石と研ぎ器では、研いだときの刃の形が全然違うんですよ。具体的には砥石は刃が鋭角になり、研ぎ器は刃が丸くなりやすい。だから、両方やると刃がガタガタになるんです。なので、どちらか片方にすべきです。 ひろ じゃあ「俺はもう砥石は使わない」と覚悟を決めたほうがいいんですね。 リュウ そうですね。 ひろ 包丁と同じように、ほかの調理器具もあんまり持ってない感じですか? リュウ 友人たちに振る舞うのが大好きなので、実は調理器具はけっこう使っているんですよ。低温調理器ってわかりますか? ひろ はいはい。例えば58℃の温度で8時間加熱するみたいなやつですよね。そのように一定の温度で長時間調理するのって、低温調理器じゃないとキツいですよね。 リュウ そうなんですよ。低温調理器を使うとパサパサになりやすい鶏肉が柔らかくなったり、ローストビーフが失敗せずに作れたりするんです。厚切りステーキも低温調理してから焼くと、めちゃくちゃいいミディアム加減になります。ただ、大多数の人たちが低温調理器を持ってないだろうから、僕のレシピではまだ封印しているんです。 ひろ 炊飯器や電子レンジはほとんどの人が持っているけれど、低温調理器は持ってない人が多いですもんね。実は、僕も低温調理器を愛用しているんですよ。 リュウ マジですか! じゃあ、ひろゆきさんはけっこう料理をやっているんだ。 ひろ というか、プロでもない限り、肉料理の温度管理は低温調理器に任せたほうが間違いないじゃないですか。 リュウ そうですね。おいしい料理を作るには温度管理が大事なんですが、コンロでやろうとすると難しすぎるんですよ。その点、低温調理器であれば勝手に管理してくれます。だから、実は料理初心者向きだったりするんです。 ひろ ただ、初心者ほど持っていないというジレンマがある(笑)。 リュウ そうなんですよ。でも、以前は3万円くらいしてましたけど、今はだいぶ安くなっていて「アイリスオーヤマ」なら1万円程度で買えます。なので、そろそろ解禁してもいいかなと思っているんですよね。