異星人の構造物「ダイソン球」が存在する可能性…銀河系内の7つの恒星が候補に(海外)
「ダイソン球」という超高度文明の巨大構造物が存在する可能性のある7つの星が、銀河系で発見された。 【全画像をみる】異星人の構造物「ダイソン球」が存在する可能性…銀河系内の7つの恒星が候補に だが、これらの星の奇妙な振る舞いは、塵の雲などといった他の現象によっても説明できるかもしれない。 ダイソン球が本当にこれらの星を覆っているのかを確認するには、さらなる証拠が必要となる。 地球外知的生命体の探索において、「ダイソン球」を見つけることは大当たりを引き当てるようなものだ。 高度に発展した文明であれば、恒星を超ハイテクの巨大構造物「ダイソン球」で覆い、そのエネルギーをフル活用することが、理論的には可能だ。 ダイソン球が実際に存在するという証拠はまだ見つかっていない。だが、もしそれが本物であれば、見つけられるはずだ。物理学者のフリーマン・ダイソン(Freeman Dyson)が1960年に初めてダイソン球を理論化して以来、研究者たちは何十年にもわたってそれを探してきた。 このほど、学術誌「王立天文学会月報」に掲載された査読付き論文により、自然現象では簡単に説明できない異常な振る舞いを示す7つの星が、銀河系で発見された。
ダイソン球とは?
名前に「球(sphere)」とついてはいるが、ダイソン球は必ずしも恒星を取り囲む固体の球体というわけではない。ただし、もっとも高度なものはそうなのかもしれない。 むしろ「恒星の周りに浮かぶ、極めて広い面積を持つ衛星」だと、論文の共著者でインド工科大学の天文学・宇宙物理学・宇宙工学の准教授であるスマン・マジュンダル(Suman Majumdar)がBusiness Insiderに語っている。 ダイソンの理論によると、高度に発展した文明はこのような球体から無制限のエネルギー源を利用できるようになり、人口と産業の指数関数的な成長が可能になるのだという。 このような構造物では、「衛星」の間に隙間があり、そこから恒星の光の一部が漏れる可能性がある。それ以外の光は衛星が吸収するが、IEE(infrared excess emissions)という赤外線のパルスが放出される。これを観測することで、地球から遠く離れたダイソン球を検出できる可能性がある。 マジュンダルのチームは今回の研究で、IEEを示す銀河系の500万以上の恒星を分析した。しかし、IEEはダイソン球だけの現象ではない。 「恒星が過剰な赤外線を放出(IEE)する理由はたくさんある。典型的なのは、非常に若く、ガスや塵から成る原始惑星系円盤を持つ恒星が赤外線を放出することだ」と論文の共著者でペンシルベニア州立大学の天文学・天体物理学教授のジェイソン・ライト(Jason Wright)はBusiness Insiderに語っている。 IEEが自然に発生する理由は他にもあるため、研究チームはダイソン球の候補となった恒星500万個のリストから多くの星を除外した。最終的に残ったのが、簡単には説明できないIEEを発し、巨大構造物に覆われている可能性のある7つの恒星だった。 今後の研究では、他の理由によってIEEを発していると思われる恒星をすべて除外する必要がある。
ダイソン球の探索
有力なダイソン球候補を特定するにあたって、研究者はコンピューターシステムを用い、「ガイア」が収集した大量のデータをふるいにかけた。ガイアとは欧州宇宙機関(ESA)の衛星で、銀河系やその先にある10億個以上の星の3次元地図を作成するためのデータを収集している。 研究チームは、この極めて包括的な調査データから、IEEを示す何百万もの恒星を選び出し、そこから自然現象で説明できるものを取り除いていった。
Ellyn Lapointe