米国債上昇への賭け、急速に巻き戻す動き-FOMCとCPI控え
シティグループのストラテジスト、エド・アクトン氏はリポートで同行のポジションモデルに関し、雇用統計を受けて強気な見方が後退したことから米国債ポジションは「構造的に中立」になったと指摘。「目標を上回るインフレ率と成長減速の間に緊張がある」とした。
運用資産約9兆ドル(約1400兆円)の大手運用会社バンガード・グループは「非常に戦術的」なポジションを取る姿勢で、CPIとFOMCを前に「ポジションを軽くした」とシニアポートフォリオマネジャーのジョン・マッツイレ氏は説明した。米国債利回りはほぼ決まったレンジ内で推移しており、トレーダーにとっては「あらゆるデータ発表が高いボラティリティーをもたらすイベントだ」という。
キー・ウェルス(運用資産510億ドル)の債券担当マネジングディレクター、ラジーブ・シャルマ氏によれば、市場参加者、そしてデータに依存する米金融当局者も、利下げに再び賭ける前に物価上昇圧力の後退を示す明確なサインを待っている。
「われわれが確認しなければならないのは、持続的なインフレ鈍化だ。ドット・プロットでは年内の利下げ見通しが2回に減る可能性が非常に高いが、利下げなしの可能性も排除できない。金融当局が利下げを急ぐとは思えない」との見方を示した。
担保付翌日物調達金利(SOFR)に連動するオプション市場ではここ数週間、高い政策金利が来年終盤と2026年初めにかけて続くとの見方が広がっている。当局者によるドット・プロット予測がタカ派寄りにシフトすれば、こうしたポジションへの追い風になる。
原題:Bond Traders Abandon Bets on Treasury Rally Before Fed, CPI Day(抜粋)
--取材協力:Ye Xie、Carter Johnson、Michael Mackenzie.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Edward Bolingbroke