第93回選抜高校野球 2回戦 天理、13年ぶりベスト8 関東王者をゼロ封「次も」 /奈良
<センバツ2021> さあ、準々決勝進出だ――。第93回選抜高校野球大会第6日の25日、天理は第3試合で2回戦に挑み、4―0で健大高崎(群馬)を完封した。完投した達孝太投手(3年)の好投で、強力打線を誇る関東王者を2安打に抑え、二つ目の白星を挙げた。天理にとって13年ぶりとなる準々決勝は、第9日第1試合(28日午前8時半開始予定)で仙台育英(宮城)と対戦する。【広瀬晃子】 天理は一回表、先頭打者・内山陽斗主将(3年)からの3連続安打で1点を先制。適時打を放ったのは、数少ない2年生レギュラー、内藤大翔選手(2年)だ。元Jリーガーの父就行さん(53)も「どの道に進んでも1番になれ」と応援しており、安打を打てなかった20日の初戦後も「次の試合で頑張れ」と電話で励ましてくれたという。母恵さん(43)は「主人との約束通り、ヒットを打ってくれました」とうれしそう。福岡から応援に訪れた小学校時代のチームメート、野元丈さん(15)も「彼なら、やってくれると思っていた」と喜んだ。 2点をリードして迎えた七回表、眼鏡がトレードマークの4番、瀬千皓選手(3年)が登場。2死一、二塁から低めのスライダーをすくい上げて左中間に2点適時二塁打を放ち、試合を決定づけた。瀬選手は「大舞台に強い」と言われながら、「名門校の主砲」の重圧に苦しみ、打てない時期も経験。期待を背負っての長打に、母史帆さんは「やっと、大きいのを打ってくれた」と胸をなでおろした。 20日の初戦で161球を投げ、自己評価も低めだった達投手はこの日、球速148キロと自己最速を更新。立ち上がりから上々で、自慢のストレートは終盤も衰えず、健大高崎に3塁を踏ませなかった。20日の試合後に連絡したという母るみさん(44)は「大丈夫なん?」と聞いても、「うん」とそっけない返事をするだけだったと明かし、「今日は調子がよかったよう。勝ててよかった」と活躍をたたえた。 アルプスは、勝利を決めて駆け寄った選手たちを大きな拍手で迎え、「次も頑張って」「おめでとう」と祝福の声がこだました。 ◇お手製のお守り ○…裏方としてチームを支えるマネジャー7人がスタンドでの応援で首からぶら下げていたのは、手作りのお守りだ。「全員同じ思いで戦っていると伝えたい」と選手44人と指導者にも配った。「勝ち進んでほしい」との願いを込め、今センバツのチームテーマ「邁進(まいしん)」の文字をあしらった。下林源太前主将の妹でマネジャーの真美さん(2年)は「兄の時は(センバツ交流試合で)1試合しかできなかったので、何度でも応援したい」とエールを送った。【橋本陵汰】 ◇踊りで選手鼓舞 ○…2017年夏の甲子園以来、3年半ぶりに天理スタンドにバトントワリング部が帰ってきた。普段使っているバトンをポンポンに持ち替えて、24人そろった華やかな踊りでナインの活躍を後押し。バトントワリングの大会に出る都合で野球部応援のための時間が作れず、自主練習や球場に向かうバスの中でも動きを確認した。「甲子園での応援は楽しい」と秋岡心花(このか)キャプテン(3年)。辰巳里桜(りお)さん(同)も「近くで選手を応援できてうれしい」と笑顔を振りまいた。【橋本陵汰】 ……………………………………………………………………………………………………… 天理 110000200=4 000000000=0 健大高崎