LINEヤフー、韓国ネイバーへの委託を終了 情報流出問題受け
通信アプリLINE(ライン)の利用者などの情報が大量流出した問題について、アプリを運営するLINEヤフーの出沢剛社長は8日の決算会見で、社内システムの運用やサービス展開など全般的な業務に関し、大株主の韓国IT大手ネイバーへの委託を終了すると発表した。出沢氏は会見の冒頭で問題について謝罪し「安心してサービスを利用いただく環境を作る」と述べた。 情報流出は昨年、一部のシステムを共通化していたネイバーの傘下企業がサイバー攻撃を受けたことで発生。対策として、システムの運用だけでなくサービスや事業の展開においてもネイバーへの委託を終了することを決め、詳細な計画を7月に発表するとした。出沢氏は「(サービス開発の)内製化は十分に可能だ」と述べ、事業継続への支障はないと強調した。 情報流出について総務省は、LINEヤフーがネイバーから資本支配を受ける関係を含めた経営体制の見直しを求め、4月までに2度の行政指導を実施。出沢氏は資本関係の見直しをネイバーや、同じく大株主のソフトバンクに要請していると説明したが、具体的な検討状況については「本日時点で決定した事項はない」と述べるにとどめた。 また出沢氏は、令和6年度のセキュリティー対策費用として約150億円を計上するほか、当初は6年度内に予定していた、LINEとスマートフォン決済「PayPay」のアカウント連携を延期することも発表。ガバナンス(企業統治)強化のため、LINEアプリの開発を主導してきた慎ジュンホ氏ら2人が取締役から退任し、取締役会に占める社外取締役の比率を現状の43%から67%に増やす方針であることなども明らかにした。(根本和哉)