好調サンロッカーズ渋谷を牽引するアンソニー・クレモンズ、司令塔が大切にするオフェンスの肝「ダイナミックに攻めること」
ルカHC、「今、彼にしかできないクリエイティブな展開を見せてくれています」
また、ルカHCは「相手は必ず日本人の大きいガード、タフな強いガードをぶつけてきます。そこでターンオーバーをしないで強く戦い抜いて、ディフェンスをしっかりしないといけないです」と言い、外国籍ポイントガードが活躍することの難しさを言及しつつ、クレモンズの変化について次のように語った。 「昨シーズン、そこについて彼と話をしました。彼も最初は日本人ガードを相手にするのは(ヨーロッパに比べて)簡単という考えがあったかもしれないですが、そこは違うよとしっかり伝えました。昨年のバイウィークに入る前、彼はこのままではダメだと気が付き、自分のやらないといけないことにコミットし、どういう風に戦わないといけないのか理解してプレーしてくれました。それによってこれまでの活躍があると思います。今、彼にしかできないクリエイティブな展開を見せてくれています」 指揮官も信頼を寄せる個の打開力に優れたクレモンズだが、特に目立つのはアシスト数で昨シーズン(平均4.5)より1試合平均で2本以上多い。ここまでの12試合で開幕2試合目を除く11試合で5アシスト以上と、攻撃の起点として高値安定のパフォーマンスを披露している。アシストの増加について、本人は「チームメートがシュートを決めてくれるおかげです」と感謝を強調する。 「自分たちのダイナミックなオフェンスができれば、みんなが良いシュートを打つチャンスがあることはわかっています。みんなに正しい場所、タイミングでパスを出せるように、ベストを尽くしています。それがアシストが増える結果に繋がっています」 今更ではあるが、クレモンズのニックネームはサップで、これはNFL(アメリカンフットボール)で1990年代後半から2000年代に活躍した名選手ウォーレン・サップが由来だ。サップは140kg近い巨体を生かした強烈な突進により、NFL史上に残る守備選手として名を馳せた。。サップの全盛期、子供だったクレモンズは「6歳とか7歳の子供の頃から、僕は身体が大きくて激しいプレーが好きなタフな選手でした。それで僕のメンターが、サップというニックネームをつけてくれました。彼のような偉大な選手の名前をつけられたのは誇りに思っています」と教えてくれた。 Bリーグにしっかりと適応し、子供の頃から変わらない闘争心でチームを鼓舞するクレモンズ。本来の創造力を取り戻した現在の彼はリーグ屈指の万能ポイントガードとして、これからさらに存在感を増していくはずだ。
鈴木栄一
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