子どもからのサポート大切 長野県諏訪市の上諏訪小で防災教育WS
長野県諏訪市教育委員会は11日、「防災教育ワークショップ」を同市の上諏訪小学校で開いた。2011年の東日本大震災で被災し避難所になった宮城県東松島市の石巻西高校で教頭、校長を務め、現在は東北大学非常勤講師の齋藤幸男さん(70)が訪れ、「学校が避難所になったとき」をテーマに講話。学校が避難所になった際の役割分担や、生徒が主体的に動くことの大切さについて話した。4年1部の児童29人と保護者、市職員ら計約40人が参加した。 同クラスでは1月1日の能登半島地震以降、児童らが興味のある題材を取り上げる「家庭学習」で防災について調べる児童が増えたことから、今年度の白紙単元学習(総合学習)で防災を学習。「災害に備えて、自分や大切な人の命を守ろう」をテーマに、起震車の体験や旧城北小学校校舎で避難生活を疑似体験するなどして、命の大切さを学んでいる。 齋藤さんは避難所を運営した経験から「災害直後の避難所は管理体制が十分に整っていない。大人たちは余裕をなくしてけんかをすることもある」とし、「君たちにはできることがたくさんある。子どもたちが大人たちをサポートすることが大切」と説明。震災当時に避難所の石巻西高校で生徒たちが段ボールで小屋を作りペットを保護したり、くんできた水でトイレの水を流す作業を自ら行ったりしたエピソードを紹介した。 ワークショップでは、児童らは協力して毛布と物干しざお2本を使い簡易担架を組み立て、担任の田畑真志教諭(46)を乗せて運んだ。避難所での必要な役割について意見を出し合い、係の分担表も作成して発表した。 児童の1人(9)は「避難所生活になった時は、人のために自分から進んで気が立っている人のけんかを止めたり、体が不自由な人の手助けをしたい」と話していた。 12日は諏訪西中学校や諏訪中学校で防災教育ワークショップを実施し、13日は齋藤さん原案の映画「有り、触れた、未来」の上演会とトークショーを市文化センターで行う。