世界の海上保安機関トップが集結 会議の裏の“オモテナシ”に密着
日テレNEWS NNN
都内で世界96の海上保安機関のトップが集まる会合が今週、行われました。慣れない日本で過ごす出席者たちを陰で支えた海上保安官に密着しました。 ◇◇◇◇ 今週、都内のホテルに一堂に会したのは世界96の海上保安機関のトップたち。今回の会合には政治的な課題をかかえる国や地域同士も参加。海上保安機関の人材育成や犯罪捜査にかかわる情報共有など国際的な連携を確認し、対話をする場でもありました。 4年ぶりに行われた大規模な会合。参加者の到着を待つ落ち着かない様子の女性がいました。覚野真帆さん、27歳。福島海上保安部の巡視船で働く海上保安官です。 今回、全国から集まった海上保安官が参加機関それぞれにアテンドとしてつき、常に同行してサポートを行います。 パラオのアテンド担当 覚野真帆さん 「『ウンギル スウェルブ』って、パラオ語で『こんにちは』という意味なので、最初それで声をかけられたら」 覚野さんが担当するのは、太平洋の島国・パラオの海上保安当局。パラオは、海上保安庁が技術支援をおこなうなど結びつきが深い国です。覚野さんは、第一印象を大事にしたいとパラオ語の挨拶を準備していました。 覚野真帆さん 「ウンギル スウェルブ。真帆と申します。はじめまして」 ぎこちない会話で始まった覚野さんのアテンド。会合の会場に着いてからも… 覚野真帆さん 「どこに行っちゃったのか、わからない」 パラオの2人は集合時間になっても姿を見せません。見つけたと思いきや…、人違いでした。捜すこと、およそ20分。違う会場にいたところを発見し、集合写真の撮影が始まるぎりぎりに駆け込むことになりました。 覚野真帆さん 「日本との関係をより深められるというか、壊さないように(したい)」 トラブルから始まったアテンド2日目。一番乗りに会合の会場に案内します。さらに、昼食の時間。覚野さんは2人が列に並んでいる間に席を確保するなどの気配りで、少しずつ距離を縮めていきます。 最終日のプログラム、浅草観光。 覚野真帆さん 「手を合わせる前に硬貨を入れます。5円は“ご縁”。“ご縁”の意味は幸福です」 短い滞在期間で少しでも楽しんでほしいと、日本ならではの文化をひとつずつ伝えます。 3日間にわたる覚野さんの懸命なアテンドにパラオの2人は… パラオの海上保安当局 「トモダチ!」 パラオの海上保安当局 「海上保安庁の支援と今回の彼女のサポートにも感謝しています」 覚野真帆さん 「外国の(海上保安機関の)方が、どう私たちと接してお話しされるのかいい勉強になったので、そういう分野で当庁の業務に携わっていければ」 新たな目標ができた覚野さん、海上保安官としての挑戦がつづきます。