刺し網再開さあ海へ 輪島港、タラは12月に延期
能登半島地震や奥能登豪雨で被害を受けた輪島港を拠点とする海士町刺網(あままちさしあみ)実行組合は11日、本格的な漁を再開し、約20隻が40~50キロ沖合の漁場へ向かった。10日に解禁されたタラ漁は、タラの価格が低調なことなどを受けて12月からの開始とし、主にヤナギバチメなどを狙って出漁した。 輪島港から刺し網漁のために船が出るのは震災後初めてで、午前7時過ぎに次々と出漁した。県漁協輪島支所などによると、船は12日正午ごろに順次帰港する見込み。 輪島港は震災で受けた被害の復旧工事が終わっておらず、水揚げできる場所が狭まっている中で、8日に底引き網漁船によるズワイガニ漁が始まった。海士町刺網実行組合の吉浦真志会長によると現在、タラの売価が安値なことから、ズワイガニ漁を優先してタラ漁の開始を遅らせたという。 吉浦会長は「港の工事が終わらないと水揚げ場所だけでなく、冬になると安全に船を係留する場の確保などの問題も出てくる。今は漁に出られる喜びより、不安が大きい」と語った。