今年韓国人800万人が日本旅行へ…MZは都心を走る(2)
(5)薄っぺらい訪韓市場 外国人訪韓市場がコロナ禍を克服した。今年10月までの時点で訪韓外国人は1371万人で昨年同期比54.7%も増えた。しかし薄っぺらい数値にすぎなかった。同じ期間、観光収支が85億ドル(約1兆3380億円)の赤字を記録し、昨年同期よりも赤字が10.3%増加したためだ。文化体育観光部のキム・ジョンフン観光政策局長は「韓国人出国者の海外消費が増加したため」と説明したが、言い訳に近い。訪韓外国人の支出が大きく減少したことが明らかになったからだ。今年10月までで、訪韓外国人1人あたりの平均観光収入は1006ドルで、昨年同期(1417ドル)比29%(411ドル)も減った。 さらに今年は2023~2024韓国訪問の年期間だった。韓国政府は昨年韓国訪問の年委員会名誉委員長に金建希夫人、委員長に李富真(イ・ブジン)新羅ホテル代表を任命し、今年178億ウォン(コリアグランドセール26.7億ウォン、コリアビューティーフェスティバル15.8億ウォンなど)を投じて韓国訪問の年事業を実施した。韓国訪問の年委員会の役割を再考しなければならない時点を迎えたようだが、文化体育観光部は来年委員会予算を109億ウォンから約129億ウォンに15.5%増額した。来年は韓国訪問の年でもない。 (6)走れ、MZ MZ世代が走り始めた。コロナ時代の登山に続きゴルフ・テニスが流行するかと思われたが、最近はランニングの人気が上昇している。インスタグラムのハッシュタグ数も「走る」「ランニング」(601万件)が「登山」(541万件)を上回っている。ランニング同好会がソウル都心公園を占領する勢いを見せると、地方自治体が石村(ソクチョン)湖水と盤浦(パンポ)総合運動場での5人以上のランニングを禁止したほどだ。 マラソンに挑戦するMZも多い。今年JTBCソウルマラソン参加者3万7000人のうち20代20.5%、30代46.6%で全体参加者の67.1%を占めた。40代以上の中年層中心だったマラソン文化が若返った格好だ。全国マラソン協会チャン・ヨンギ会長は「ランニング人口を200万人と推算しているが、コロナ以降、MZ世代約50万人が新規で流入したとみている」と話した。 MZ世代のランニングブームは走ることが「ヒップ」なものとみられているからだ。SNSにランニング記録やファッションをアピールする誇示文化に、「キアン84」のような有名人のマラソンフルコース挑戦記も出てきて、ランニングブームを拡散した。現代百貨店関係者は「今年1~10月ランニングシューズの売上が昨年同期より24%増加したが、ランニングシューズ購入者の半分以上が20~30代だった」とし「MZ世代は30万ウォンの価格がする選手用ランニングシューズや新興ブランドを好む」と話した。 (7)コリアトゥルレギル完全開通 9月23日大韓民国の領土を一周する超大型トレイル(Trail・歩くための道)「コリアトゥルレギル」が開通した。江原道高城(カンウォンド・コソン)から始まって釜山(プサン)まで東海岸を連結した「ヘパランギル」、釜山から全羅南道海南(チョルラナムド・ヘナム)まで南海岸に続く「ナムパランギル」、海南から仁川(インチョン)まで西海岸を縦走する「ソヘランギル」が開通したことに続き、仁川から高城までの「DMZ平和の道」がすべて開通し、大韓民国を回るトゥルレギルが完成した。コリアトゥルレギルの全長は4500キロメートル、コースは全部で284本ある。 コリアトゥルレギルは2009年ヘパランギルの造成と共に始まった。2016年ヘパランギルが開通すると朴槿恵(パク・クネ)政府が韓国を一周するトレイルを作ると発表して「コリアトゥルレギル」事業が本格的に軌道に乗った。引き続き2020年ナムパランギル、2022年ソヘランギルが順次開通し、今年9月23日を最後にDMZ平和の道が開かれた。コリアトゥルレギルは15年にわたる超大型国策事業だ。李明博(イ・ミョンバク)政府から始まって朴槿恵、文在寅(ムン・ジェイン)政府を経て尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府で完成した。広域団体だけでも10カ所、地方自治体は78カ所を通過する。一国の国境線を完全に巡るトレイルは世界でもコリアトゥルレギルが唯一だ。