【解説】岸田首相“譲歩”で成立へ前進 決断の背景は? 政治資金規正法改正案
■決断は政権運営にプラスかマイナスか
鈴江キャスター 「この決断で政治資金規正法は成立に大きく前進しました。31日の決断は、政権運営にプラス、マイナス、どちらが大きいのでしょうか?」 平本キャップ 「両方あると思います。まず、プラス面ですが、ある政権幹部は法案成立にメドがついたことを『濃い霧が晴れた』と喜んでいました。規正法がもし成立しなければ『内閣総辞職も』などという声もあったわけで、岸田首相サイドとしてはとりあえず一安心、という面はあったと思います」 鈴江キャスター 「一方でマイナスはどうでしょうか?」 平本キャップ 「それは、自民党内の不満がさらに高まっていることだと思います。ある自民党幹部は今回『党内議論を無視した独断だ』と批判しています。ある現職閣僚の1人は『議員活動が厳しくなる議員が出てくる』と話しています」 「というのも、パーティー券購入の公開基準の5万円超への引き下げは、収入の減少につながります。今回の決定は自民党議員の財布に直結しますから、岸田首相への不満が高まるのは必至だと思います」
■高まる自民党内の不満 どう打開?
鈴江キャスター 「自民党内の不満も高まっているということですが、支持率も低迷する中で、次の政権運営のポイントはどこになるのでしょうか?」 平本キャップ 「今回の改正をめぐっては、岸田首相は2つの選択を悩んでいたと思います。1つは、厳しい規制を求めていた公明党、日本維新の会をとるのか。もう片方は、そこまで厳しい規制は現実的でないとした自民党です」 「今回の決断は公明党、維新、そして世論を味方につけようという戦略だったわけですが、一方で、自民党内の敵を増やし政権運営の不安要素は増したといえます。この局面を打開するために、次にどんな一手を打てるのかが、今後のポイントになるとみています」