「ニジェールの野口英世」京都の名誉市民に ミシン糸やタオルで手術、資材不十分でも医療に尽力
京都府京丹後市は、アフリカ・ニジェールで約40年にわたり医療活動を続け、2017年3月に75歳で亡くなった同市峰山町出身の外科医・故谷垣雄三さんを名誉市民に選んだ。市議会9月定例会で正式決定し、11月3日に峰山町の京都府丹後文化会館で開催された「市制20周年記念式典」で顕彰した。 京丹後市名誉市民条例(07年制定)施行後の名誉市民選定は、同市網野町出身でプロ野球の選手・監督として活躍した故野村克也さんに次いで2人目。 谷垣さんは1979年に石油会社の嘱託医としてニジェールに赴任。帰国後もJICA(旧国際協力事業団)から派遣され、契約終了後も現地に残り、最貧国とされた同国の外科医療確立に尽力した。病院や資材が十分でない中、手術用糸の代用品にミシン糸、ガーゼの代わりに新聞紙やタオルを活用。故郷・峰山町の同級生でつくる「谷垣雄三医師を支援する会」のメンバーや小中高生たちがタオルや古新聞の提供などで支援した。 中山泰市長は「現地で医療活動、医療体制の確立に生涯をささげ、『ニジェールの野口英世』とも呼ばれるような功績は世界に誇れる郷土の誉れです」とコメントしている。