福井県内で鳥インフル「高病原性」陽性確定 福井市で発見の野生ハヤブサ
福井県は11月13日、福井市で9日に衰弱した状態で見つかったハヤブサを遺伝子検査した結果、高病原性鳥インフルエンザの陽性が確認されたと発表した。県内の野鳥の陽性確定は2022年10月以来2例目。県によると13日午後3時現在、県内の養鶏場や研究機関など27施設と他の野鳥で感染が疑われる事例は確認されていない。 ハヤブサは9日に福井市内の路上で市民が発見。福井県自然保護センター(大野市)に運ばれたが、間もなく死んだ。10日の簡易検査で陽性反応があり、国立環境研究所(茨城県つくば市)の遺伝子検査で、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5亜型)が検出された。 高病原性の確定を受け、環境省は発見場所から半径10キロ圏内の野鳥監視重点区域指定を継続する。福井県は、▽九頭竜川中流域(日野川合流地点―福井大橋)▽足羽川(大瀬橋―天神橋)▽浅水川▽日野川中流域▽北潟湖と大堤▽日向湖を除く三方五湖―の6エリアのパトロールや死んだ野鳥の調査、養鶏農家への消毒用の消石灰配布などの対策に引き続き取り組む。 福地鶏約2200羽を飼育している黒川産業(同県あわら市)の黒川公美子社長(57)は、陽性確定を報道で知り「正直怖い。これまでも消石灰散布や靴底の消毒、農場内に来訪者が極力入らないようにするなど対策しているが、引き続き気を張って徹底していきたい」と話した。 高病原性鳥インフルエンザは、野鳥観察など通常の接し方で人に感染することはほぼないとされており、県自然環境課は冷静な行動を呼びかけている。死んだ野鳥を見つけた場合は素手で触らず、同課=電話0776-20-0306、県自然保護センター=電話0779-67-1655=への連絡を求めている。
福井新聞社