「金払え」と被害者に迫り…暴行の間に暗証番号を聞き出す 強盗などの容疑で交際相手の女ら2人を再逮捕 今後の捜査の行方は?江別大学生暴行死事件
北海道放送(株)
北海道江別市で、男子大学生が暴行を受けて死亡した事件で、警察は「傷害致死」の疑いで逮捕していた女2人を、16日「強盗」などの疑いで再逮捕しました。 【写真を見る】「金払え」と被害者に迫り…暴行の間に暗証番号を聞き出す 強盗などの容疑で交際相手の女ら2人を再逮捕 今後の捜査の行方は?江別大学生暴行死事件 荒木颯太記者 「八木原容疑者を乗せたバスが、道警本部から出てきました」 「再逮捕された川村容疑者を乗せた車が、道警本部から出てきました」 再逮捕されたのは、被害者の交際相手の八木原亜麻容疑者と、その友人の川村葉音容疑者です。 「金払え」 2人は江別の大学生、長谷知哉さんにこのように迫り、16歳から18歳の少年ら4人と暴行を加えて、クレジットカードやキャッシュカードを奪い、さらに不正に使ったとして、強盗、詐欺、詐欺未遂、窃盗の4つの容疑で再逮捕されました。 警察によりますと、女2人は奪ったクレジットカードを使い、江別市のコンビニで、たばこ30箱以上と食品など、あわせて1万9000円分を不正に購入。 さらに、札幌市のコンビニに移動した上で、奪ったキャッシュカードで、現金12万7000円を引き出していました。 暗証番号は、暴行の際に聞き出していました。 金子将也記者 「コンビニの防犯カメラには、川村容疑者と男らがATMで現金を下ろすようすが映っていました。全員フードを被った状態で、3分ほど滞在していたということです」 現金の引き出しには、交際相手の八木原容疑者を除く、5人が関与。 このうち数人が、「現金を分け合った」趣旨の供述をしており、警察は八木原容疑者も共謀していたとみています。 また、少年ら4人が長谷さんに暴行を加えるようすを、スマートフォンで撮影していたことも新たに分かりました。 警察は、まもなく勾留満期を迎える少年ら4人についても、強盗などの疑いで再逮捕する方針です。 《堀啓知キャスター》 江別市の事件は、強盗という新たな局面に入りました。ここからは取材している北海道警キャップ 磯貝拓記者に伝えてもらいます。 ―――‐ 警察は今回、女2人について、なぜ強盗容疑で再逮捕したのでしょうか? 再逮捕された女2人は被害者の長谷さんに対し、少年ら4人と共謀して「金払え」などと要求したうえで暴行を加え、カード類を奪ったことが明らかになっています。 さらに、暴行の間に暗証番号を聞き出して、カードで買い物をしたり、ATMから現金を引き出したりしていました。 こうしたことから警察は、女2人が長谷さんを脅して「金品を強奪した」と判断し、強盗のほか窃盗などの疑いで再逮捕に踏み切りました。 ―――‐ 今後、強盗よりも刑の重い「強盗致死」罪で起訴される可能性はあるのでしょうか? 「強盗致死」罪が成立するハードルはかなり高いとみられます。 強盗致死罪には暴行の時点で「金品を奪う意図」があり、その結果として死亡させたことを証明する必要があります。 今回のケースでいえば、長谷さんに対する暴行と、カードなどを奪う強盗行為が「一体的」に行われていたかが鍵となります。 長谷さんに対する暴行は数時間に及んでいて、警察は少年らが撮影していた暴行の動画なども解析し、どの段階でカード類などを奪おうとしたのか詰めの捜査を進める方針です。
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