行楽シーズン“うんざり渋滞”を回避するキーワード「分散」「キープ」
渋滞35キロ──。行楽シーズンに高速道路に入り、こんな表示を見てうんざりした経験のある人は少なくないだろう。 【動画】年末年始や大型連休…高速道路の渋滞はなぜ起こる? 今年のお盆の高速道路の渋滞は、下りのピークが11日(土・祝)、上りは13(月)と予測されている。一度入り込んだらなかなか抜け出せない、そんな渋滞をうまく回避するにはどうしたらいいのか。「出発時間の工夫で渋滞を少しでも避けることはできる」と語るのは、中日本高速道路の東京支社で渋滞予測を担当する高速道路ドライブアドバイザーの山本隆氏だ。山本氏に事前の情報収集の大切さや高速道路運転時の注意点などについて聞いた。
渋滞を生む「ブレーキ」「減速」
年末年始や大型連休、夏のお盆時期などの行楽シーズン、高速道路にはいくつかの渋滞ポイントがある。 例えば、東名・新東名であれば、上下線とも大和トンネル付近(横浜町田IC~海老名JCT)での渋滞はよく耳にするだろう。山本氏も「ここが一番のポイントになる」と注意を促す。 ほかにも下り線なら、▽東名の伊勢原バスストップ付近(秦野中井IC~厚木IC)、▽新東名の新清水JCT付近(清水PA~新清水JCT)、上り線なら、▽東名の都夫良野(つぶらの)トンネル付近(御殿場IC~大井松田IC)などが主要な渋滞箇所に挙げられる。 そもそも、渋滞とはどういう状態を呼ぶのか。高速道路各社では「時速40キロ以下が、1キロ以上でかつ15分以上継続する」状態を渋滞と定義づけて渋滞に関する情報を発表している。
ではその渋滞は、どんなメカニズムで発生するのか。これを知っておけば、車を運転する際、自分が「渋滞の原因」にならなくてすむかもしれない。 キーワードは「ブレーキ」と「減速」だ。簡単に説明すると、前の車がブレーキを踏んだり、減速したりすると、後続車もそれにつられてブレーキを踏むことになる。それが次々と連鎖して渋滞が起こるのだ。 そのため、渋滞が発生しやすいポイントは、「減速」が生まれやすい場所になる。もっとも多いのは「サグ部での渋滞」で、これだけで半数以上を占める。そしてトンネル入口、インターチェンジ合流部などと続く。いずれも高速走行時にブレーキを踏むことが多い局面だ。 ちなみに、サグ部とは下り坂から上り坂に差し掛かる場所のこと。単なる上り坂と違い、自分の車が「上り坂」にいることに気づきにくく、速度が落ちてしまうからだという。「知らないうちに自分が渋滞の先頭になっている可能性もある」というから気をつけたい。